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少年と犬

出版社名 文藝春秋
出版年月 2020年5月
ISBNコード 978-4-16-391204-2
4-16-391204-5
税込価格 1,760円
頁数・縦 308P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 少年と犬

    実力派作家の文句なしの直木賞受賞作。一匹のシェパードの雑種犬が震災の地となった東北から九州へと向かう。南下していくそれぞれの地の6つの出会いで、犬は出会った人間たちに深い思い出を残して去っていく。犬に対する細やかな描写からは、作者の犬への愛情を感じずにはいられない。ノアールな作品のイメージが強い馳星周とはまったく違った世界が感じとれる。どちらも魅力たっぷりである。

    (2020年8月15日)

商品内容

文学賞情報

2020年 第163回 直木賞受賞

要旨

家族のために犯罪に手を染めた男。拾った犬は男の守り神になった―男と犬。仲間割れを起こした窃盗団の男は、守り神の犬を連れて故国を目指す―泥棒と犬。壊れかけた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいた―夫婦と犬。体を売って男に貢ぐ女。どん底の人生で女に温もりを与えたのは犬だった―娼婦と犬。老猟師の死期を知っていたかのように、その犬はやってきた―老人と犬。震災のショックで心を閉ざした少年は、その犬を見て微笑んだ―少年と犬。犬を愛する人に贈る感涙作。

出版社・メーカーコメント

傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!

著者紹介

馳 星周 (ハセ セイシュウ)  
1965年、北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務、書評家などを経て、96年『不夜城』で小説家デビュー。同作で吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。98年『鎮魂歌 不夜城2』で日本推理作家協会賞、99年『漂流街』で大藪春彦賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)