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陶酔映像論

出版社名 青土社
出版年月 2020年6月
ISBNコード 978-4-7917-7281-0
4-7917-7281-4
税込価格 2,860円
頁数・縦 366P 20cm

商品内容

要旨

映像という闇の中の光芒に、忘れがたい陶酔の記憶を探る。日常の制約から解放されたエクスタシー・忘我にあっては、理知的であるよりも、事物の核心が直截・明快に見えているのではないか。映画の未来をゴダールは生き、リーフェンシュタールは肉体の美と生命力を謳い、抑圧された性の解放を戦うクローネンバーグ。さらに精霊と死者の世界に彷徨うアピチャッポン、小津安二郎サイレントの究極の大胆さ―。エクスタシー体験が、底知れぬ真実の深みを垣間見せる。全く斬新で画期的な映像・認識論。

目次

1 来たるべき映像のために/絵画・写真・映画(映画の未来の陶酔のために―ジャン=リュック・ゴダール「イメージの本」
逃げ去る映画/新しい記憶―ジャン=リュック・ゴダール「勝手に逃げろ/人生」
光と瞬間の奇跡―ピクチャーからモーションピクチャーへ)
2 聖性を呼ぶ(オリンピアの身体―レニ・リーフェンシュタールの映像身体
身体、影の詰まった袋―ルイス・ブニュエル「忘れられた人々」を呼びさます
肉体の抑圧と再帰する性の欲望―デイヴィッド・クローネンバーグ論)
3 愛するエスノグラフィ(陶酔する映像―マヤ・デーレン「神聖騎士」を中心に
感覚民族誌と世界霊―ハーバード大学感覚民族誌学研究所「リヴァイアサン」から「カニバ」へ
シネトランスの彼方へ―ジャン・ルーシュの憑依儀礼映像を中心に)
4 転生する記憶(転生と精霊―アピチャッポン・ウィーラセタクンの映像芸術
イメージの山へ―フィオナ・タン「アセント」
旋回する想起―ビル・ビオラの踊る知覚映像)
5 陶酔のドキュマン(夜汽車のメタモルフォーゼ―一九三〇年代の小津安二郎
サイレント・デスマスク―「非常線の女」における小津安二郎の写真/映画
閃光/記憶と忘却―ジョシュア・オッペンハイマー「アクト・オブ・キリング」から「ルック・オブ・サイレンス」へ
“陶酔の真実”を求めて―ヴェルナー・ヘルツォークの不思議な旅)

著者紹介

伊藤 俊治 (イトウ トシハル)  
1953年生まれ。美術史家。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)