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中流崩壊

朝日新書 774

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2020年7月
ISBNコード 978-4-02-295078-9
4-02-295078-1
税込価格 935円
頁数・縦 289P 18cm

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要旨

現代の日本人で、自身を「中流」あるいは「中間階級」に属すると認識する人は、どれほどいるだろうか? かつて高度成長期の終わり頃には、「中流」であると自認する日本人は約9割に達し「一億総中流社会」と言われた。しかし次第に経済格差が顕著になり、その言葉は「格差社会」にとって代わられた。本書では、データを駆使して戦後日本の「中流」の軌跡を追うことで、長きにわたり日本人の多くが持っていた「中流意識」の真相に迫り、「一億総中流」とは社会調査のミスリードと国民の願望がつくりあげた“幻想”に過ぎなかったと断じる。さらに、現代の「中流」には「旧中間階級」と「新中間階級」があると分析。その上で、多くの人が、思い込みではなく、真に自分が「中流」であると実感できる「新しい“総中流”社会」を実現するにはどうしたらいいかを探っている。著者は、早稲田大学人間科学学術院教授で、社会学を専門とする。主な著書に『階級都市』『アンダークラス』(ともにちくま新書)、『新・日本の階級社会』(講談社現代新書)などがある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2020年8月25日]

商品内容

要旨

もはや「中流」ではない―。階級社会の実相を描き出す!日本人はなぜ自分を「中流」と思ったのか?かつてさかんに言われた「一億総中流」とは、国民の願望がつくりあげた幻想に過ぎなかった。現在、新型コロナ禍が追い打ちとなり「中流」は消滅寸前、さらに中流内の二つの階級―新中間階級と旧中間階級―の分断が深刻なものになりつつある。中流層の現状を明かし、理想的な「総中流」を考察する。

目次

第1章 「総中流」の思想
第2章 理想としての「中流」
第3章 「総中流」の崩壊
第4章 実態としての「中流」
第5章 主体としての「中流」
終章 中流を再生させるには

おすすめコメント

経済格差が拡大し「総中流社会」は完全に崩壊した。そして今、中流が下流・アンダークラスへの滑落するリスクがこれまでになく高まっている。また中流も多層化し、社会の分断も急速に進んでいる。『新・階級社会』著者が、様々なデータを駆使し、現代日本の断層をつぶさに捉えた意欲作!

著者紹介

橋本 健二 (ハシモト ケンジ)  
1959年、石川県生まれ。東京大学教育学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。現在、早稲田大学人間科学学術院教授。専門は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)