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「役に立たない」科学が役に立つ

出版社名 東京大学出版会
出版年月 2020年7月
ISBNコード 978-4-13-063375-8
4-13-063375-9
税込価格 2,420円
頁数・縦 102,40P 19cm

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要旨

2020年6月、日本では「科学技術基本法」が改正され「科学技術・イノベーション基本法」が成立した。それによって、大学や研究機関には、社会の諸課題の解決につながるイノベーションを引き起こす「役に立つ研究」が推奨されることになる。こうした科学研究をめぐる風潮は、日本だけではないようだ。本書は、アインシュタインをはじめ多くのノーベル賞受賞者を輩出している「プリンストン高等研究所」の創立者と現所長による、それぞれ1篇のエッセイを収録したもの。いずれも、すぐには「役に立たない」基礎研究の重要性を強調し、学者が自らの好奇心に駆られ、想像力を駆使して行う研究が、後の「役に立つ」革新的成果につながると論じている。とくに現所長のダイクラーフ氏は、短期的目標を重視する公的支援の方向に警鐘を鳴らし、基礎研究と応用研究のバランスがとれた科学政策であるべきと主張する。著者のエイブラハム・フレクスナー(1866-1959)は、プリンストン高等研究所の構想と発展に携わり、1930年から1939年までその初代所長を務めた。ロベルト・ダイクラーフ氏は1960年生まれの数理物理学者で、2012年からプリンストン高等研究所の所長を務めている。なお、ダイジェストはダイクラーフ氏のエッセイを取り上げた。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2020年9月16日]

商品内容

要旨

「有用性」という言葉を捨てて、人間の精神を解放せよ。

目次

明日の世界(ロベルト・ダイクラーフ)
役に立たない知識の有用性(エイブラハム・フレクスナー)

著者紹介

初田 哲男 (ハツダ テツオ)  
1958年、大阪府生まれ。1986年、京都大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士)。ワシントン大学物理学科アシスタントプロフェッサー、筑波大学物理学系助教授、京都大学大学院理学研究科助教授、東京大学大学院理学系研究科教授、理化学研究所主任研究員などを経て、現職は、理化学研究所数理創造プログラムディレクター、東京大学名誉教授。専門は理論物理学、とくに原子核や素粒子の理論。西宮湯川記念賞、仁科記念賞、文部科学大臣表彰(科学技術分野)、東レ科学技術賞、などを受賞
野中 香方子 (ノナカ キョウコ)  
お茶の水女子大学文教育学部卒業
西村 美佐子 (ニシムラ ミサコ)  
お茶の水女子大学文教育学部卒業。翻訳協力多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)