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九鬼周造

ちくま学芸文庫 キ29−2 近代日本思想選

出版社名 筑摩書房
出版年月 2020年8月
ISBNコード 978-4-480-09982-2
4-480-09982-4
税込価格 1,870円
頁数・縦 649P 15cm

商品内容

要旨

“媚態”“意気地”“諦め”という三つの契機から、日本的美意識「いき」の構造を解明した九鬼周造。ハイデッガーやベルクソンらに師事し、豊かな方法的視座を身につけたこの哲学者にとって、人と人とのめぐり逢いの謎は、自身の実存ともあいまって生涯を覆うものであった。「偶然性」の哲学の誕生だ。のちにそれは、日本文化論における「自然」の思想においてひとつの帰結をみる。没後、時代ごとに異なる光が当てられてきた九鬼の哲学。本書は、自伝的エッセイからヨーロッパでの講演、人生観、晩年の詩論まで、その全体像と独創性を一冊で提示する。

目次

1 自伝的エッセイ
2 九鬼哲学の出発点
3 「いき」の哲学
4 実存哲学の受容
5 「偶然性」の哲学
6 九鬼哲学の全体像
7 日本文化論
8 文芸論
関連論考

おすすめコメント

日本哲学史において特異な位置を占める九鬼周造。時間論、「いき」の美学、偶然性の哲学など、その思考の多面性が厳選された論考から浮かび上がる。

著者紹介

九鬼 周造 (クキ シュウゾウ)  
1888‐1941年。東京生まれ。東京帝国大学文科大学哲学科卒業。哲学者、京都帝国大学教授。1921年‐29年、ヨーロッパに留学し、リッケルト、ハイデッガー、ベルクソンらに学ぶ。時間論、偶然論、日本文化論、文芸論と思索の対象は多岐にわたる。他者との「出会い」を基礎づける哲学を追求した
田中 久文 (タナカ キュウブン)  
1952年生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。同大学院博士課程修了。日本女子大学人間社会学部教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)