はじめてのスピノザ 自由へのエチカ
講談社現代新書 2595
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2020年11月 |
ISBNコード |
978-4-06-521584-5
(4-06-521584-6) |
税込価格 | 946円 |
頁数・縦 | 181P 18cm |
書店レビュー
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ありえたかもしれない「もうひとつの近代」に未来の自由を探す
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- Pebbles Books (東京都文京区)
『暇と退屈の倫理学』『中動態の世界』などの著作を通じて「自由」とは何かを問い直してきた國分功一郎さん。その最初の単著は『スピノザの方法』でした。
國分さんがその原点である十七世記の哲学者スピノザの「自由」をめぐる思想を、現代の私たちにとってアクチュアルな問いかけとして紹介してくれるのが本書です。
なかでも、スピノザを特徴付ける概念「コナトゥス」の解説が刺激的です。コナトゥスは「ホメオスタシス(恒常性)」の原理に非常に近いと、國分さんはいいます。私たちという個と外的環境との関係によって常に相互に影響し合うダイナミズムとしての「自由」というイメージは、たとえば「アフォーダンス」や「中動態」といった概念へとつながり、身体や環境をめぐる哲学、建築やデザイン、舞踊といった芸術表現へも、連想が広がっていく刺激的なものです。
また、國分さんはスピノザがその出自であるユダヤ教会に反しても思想を追求したことに触れ、「真理の追求は必ずしも社会には受け入れられないし、それどころか権力からは往々にして敵視されるのだということを十分に理解しつつ、その上で真理を追求するのが哲学者なのです」と書き(2020年11月27日)
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商品内容
要旨 |
次々と覆される常識の先に、ありえたかもしれないもうひとつの世界が浮かび上がる。気鋭の哲学者による、心揺さぶる倫理学入門。 |
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目次 |
第1章 組み合わせとしての善悪(スピノザとは誰か |