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現代ロシアの軍事戦略

ちくま新書 1572

出版社名 筑摩書房
出版年月 2021年5月
ISBNコード 978-4-480-07395-2
4-480-07395-7
税込価格 1,034円
頁数・縦 300,12P 18cm

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要旨

ウクライナ情勢が深刻さを増している。ロシア軍によるとされる攻撃で民間にも多数の犠牲が出ており、ロシアに対する国際世論は悪化する一方だ。なぜ、ロシアは2014年と2022年に、ウクライナへ軍を差し向けたのか。ロシアの目的は何か。世界地図を広げ、ロシアの外交や軍事戦略を探る必要がありそうだ。本書では、冷戦後の国際情勢を背景にしたロシアの軍事戦略を、各種資料などをもとに読み解く。2021年5月刊行のため2022年3月現在のウクライナ情勢は反映されていないものの、そこに至るロシアのプーチン政権、軍、軍事思想家たちの思考や思惑を理解する糸口をつかめる内容となっている。かつてのソ連時代には米国と並ぶ超大国としてのプレゼンスを保っていたロシアだが、ソ連崩壊、東西冷戦の終結とともに国力、軍事力、他国への影響力が低下。ウクライナをはじめとする他国への侵攻の根底には、NATO拡大による脅威への対抗があったようだ。著者は東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)専任講師。専門はロシアの軍事・安全保障。民間企業勤務、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO RAN)客員研究員、公益財団法人未来工学研究所客員研究員を経て現職。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年4月1日]

商品内容

要旨

冷戦後、軍事的にも経済的にも超大国の座から滑り落ちたロシアは、なぜ世界的な大国であり続けられるのか。NATO、旧ソ連諸国、中国、米国を向こうに回し、宇宙、ドローン、サイバー攻撃などの最新の戦略を駆使するロシア。劣勢下の旧超大国は、戦争と平和の隙間を衝くハイブリッドな戦争観を磨き上げて返り咲いた。メディアでも活躍する異能の研究者が、ウクライナ、中東での紛争から極東での軍事演習まで、ロシアの「新しい戦争」を読み解き、未来の世界情勢を占う。

目次

はじめに―不確実性の時代におけるロシアの軍事戦略
第1章 ウクライナ危機と「ハイブリッド戦争」
第2章 現代ロシアの軍事思想―「ハイブリッド戦争」論を再検討する
第3章 ロシアの介入と軍事力の役割
第4章 ロシアが備える未来の戦争
第5章 「弱い」ロシアの大規模戦争戦略
おわりに―2020年代を見通す

出版社・メーカーコメント

弱小国となったロシアはなぜ世界に覇権を誇示し続けられるのか。異能の研究者が戦争の最前線を読み解き、未来の世界情勢を占う。

著者紹介

小泉 悠 (コイズミ ユウ)  
1982年千葉県生まれ。早稲田大学社会科学部、同大学院政治学研究科修了。政治学修士。民間企業勤務、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO RAN)客員研究員、公益財団法人未来工学研究所客員研究員を経て、東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)特任助教。専門はロシアの軍事・安全保障。著書に『「帝国」ロシアの地政学―「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版、2019年、サントリー学芸賞受賞)等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)