スコラ学の方法と歴史 上
知泉学術叢書 14
出版社名 | 知泉書館 |
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出版年月 | 2021年4月 |
ISBNコード |
978-4-86285-335-6
(4-86285-335-8) |
税込価格 | 5,940円 |
商品内容
要旨 |
マルティン・グラープマン(1875‐1949)は、中世思想の真の理解にはスコラ学の方法を知ることが重要であるとして、生涯にわたり膨大な一次史料の写本を渉猟し、その研究と紹介に努めてきた。本書はその成果を集大成した古典的名著の待望の翻訳である。本書では教父から12世紀初めのアンセルムスまでを扱う。ギリシア教父とギリシア哲学との関連をはじめラテン教父の展開、そして最初のスコラ学者ボエティウスの貢献、さらにカロリング時代の初期中世には論理学の隆盛に伴うスコラ学の発展が考察され、最後にスコラ学の父といわれたカンタベリーのアンセルムスの固有性と学問の方法を詳細に分析し、スコラ学の基本構造が明らかにされる。読者はヨーロッパの神学はもとより、哲学や思想など知性の歴史を考えるとき、スコラ学が築いてきた方法と歴史の意義を、本書によって知ることになろう。ヨーロッパ近代により主導された現代の歴史的状況を考えるためにも、スコラ学の開発した知性の方法が普遍的な意義をもっており、それは近代思想にも大きな影響を与えている。わが国の哲学研究はヨーロッパの神学に対して距離を置くが、ヨーロッパの内在的理解のために、今後は神学と哲学の強い緊張の磁場を知ることがますます重要となろう。 |
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目次 |
第1部 序文(スコラ学の方法に関する現代の評価 |