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人質司法

角川新書 K−360

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2021年6月
ISBNコード 978-4-04-082370-6
4-04-082370-2
税込価格 990円
頁数・縦 286P 18cm

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要旨

日産自動車会長だったカルロス・ゴーン氏が逮捕され、保釈期間中に国外逃亡した事件は記憶に新しい。彼が130日間にわたり勾留されたことについて、国連人権理事会は「人権侵害」として東京地方検察庁を厳しく批判した。ふだん意識することは少ないが、日本の刑事司法制度は、国際基準に適うものなのだろうか。本書では、弁護団の一員としてゴーン氏の事件に携わった著者が、日本における未決拘禁(被疑者や被告人の身柄を確保する制度)について詳述しながら、現状の刑事司法で当たり前のように行われている「人の身柄拘束を利用して交渉を有利に進める」という手法が「人質司法」であると指摘。制度や法律が成立した歴史を紐解き、海外の制度と比較しながら日本の司法制度の問題点を挙げ、改善を提言している。著者は弁護士で、高野隆法律事務所代表パートナー。一般社団法人東京法廷技術アカデミー代表理事。1982年弁護士登録、1987年、サザン・メソジスト大学ロー・スクール卒業。2004年から09年まで早稲田大学大学院法務研究科教授を務めた。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2021年7月20日]

商品内容

要旨

2019年12月31日、カルロス・ゴーン氏は、レバノンへと逃亡したことを発表した。「私は日本の司法制度の人質ではない」と述べた彼を逃亡へと追い込んだものとは、いったい何なのか。担当弁護人であり逃亡の直前まで側にいた著者が明かす、彼の実像と苦悩。そして、今回の事件を引き起こした「人質司法」の実態について、成立の歴史と諸外国との比較を交えながら、その問題点を解説する。

目次

第1章 「鏡の国」の刑事裁判
第2章 カルロス・ゴーンの拘禁、保釈、そして逃亡
第3章 「取調べ受忍義務」
第4章 接見禁止
第5章 「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」
第6章 拘禁のための手続
第7章 われわれはどこを目指すべきか

出版社・メーカーコメント

ゴーンの逃亡は、必然だった――。日本司法の闇に、担当弁護士が迫る!「私は日本の司法制度の人質ではない」と述べ逃亡したカルロス・ゴーン氏。担当弁護士が明かす、彼の実像と苦悩とは。そして、諸悪の根源「人質司法」の実態について、自らの経験と豊富な実証を基に、鋭く切り込む!

著者紹介

高野 隆 (タカノ タカシ)  
1956年生まれ。弁護士。高野隆法律事務所代表パートナー。一般社団法人東京法廷技術アカデミー代表理事。79年、早稲田大学法学部卒業。82年、弁護士登録(埼玉弁護士会)。87年、サザン・メソジスト大学ロー・スクール卒業(LL.M)。2004年、早稲田大学大学院法務研究科(法科大学院)教授(09年まで)。19年2月より、日産自動車元会長カルロス・ゴーン氏の弁護人を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)