• 本

ケアとは何か 看護・福祉で大事なこと

中公新書 2646

出版社名 中央公論新社
出版年月 2021年6月
ISBNコード 978-4-12-102646-0
4-12-102646-2
税込価格 924円
頁数・縦 236P 18cm

商品内容

要旨

やがて訪れる死や衰弱は、誰にも避けられない。自分や親しい人が苦境に立たされたとき、私たちは「独りでは生きていけない」と痛感する。ケアとは、そうした人間の弱さを前提とした上で、生を肯定し、支える営みである。本書は、ケアを受ける人や医療従事者、ソーシャルワーカーへの聞き取りを通じて、より良いケアのあり方を模索。介護や地域活動に通底する「当事者主体の支援」を探り、コロナ後の課題についても論じる。

目次

第1章 コミュニケーションを取る―「困難な意思疎通」とケア(サインをキャッチする
声をかける
相手の位置に立つ
コミュニケーションを阻む要因)
第2章 “小さな願い”と落ち着ける場所―「その人らしさ」をつくるケア(人生会議、ACP、インフォームド・コンセント
「食べたい」という願い
文化的な願い
生活への想像力
チームワークで願いを叶える
本来の居場所へ)
第3章 存在を肯定する―「居る」を支えるケア(存在の実感を支える
“からだ”を見つけなおす
社会の中の居場所づくり)
第4章 死や逆境に向き合う―「言葉にならないこと」を言葉にする(「不条理な現実」と苦痛
孤立した人とつながる
SOSのケイパビリティ
言葉にできるようになること
行為の証人となる
「答えのなさ」に耐える)
第5章 ケアのゆくえ―当事者とケアラーのあいだで(切断されるケア
ピアの文化
「当事者」とは誰のことか
ケアラーの立ち位置とその支援)

出版社・メーカーコメント

病やケガ、衰弱や死は避けて通れない。自分や親しい人が苦境に立たされたとき、私たちは「独りでは生きていけない」ことを痛感する。そうした人間の弱さを前提とした上で、生を肯定し、支える営みがケアである。本書では、看護の現象学の第一人者が、当事者やケアワーカーへの聞き取りをもとに、医療行為を超えたところで求められるケアの本質について論じる。育児や地域福祉、貧困対策のあり方にも通底する「当事者主体の支援」とは。〈実践〉のための哲学書。

著者紹介

村上 靖彦 (ムラカミ ヤスヒコ)  
1970年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程満期退学。基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第七大学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は現象学的な質的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)