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アイヌ通史 「蝦夷」から先住民族へ

出版社名 岩波書店
出版年月 2021年7月
ISBNコード 978-4-00-061481-8
4-00-061481-9
税込価格 5,830円
頁数・縦 397,12P 22cm

商品内容

要旨

日本社会においてアイヌはいかに人種化され、人種差別の対象となってきたのか。また、そうした差別と抑圧に対して、アイヌがどのように抵抗を重ねてきたのか―。歴史学をはじめとして社会科学における不可欠な分析概念となった人種とエスニシティを全面的に導入した本書は、英米圏における第一級のアイヌ史として、後続する研究に多大な影響を与えてきた。一九九六年の原著出版以降の変化を追った補章、および訳者による充実した解題を追加し、今なお日本社会に深く横たわるアイヌへの差別構造を問う。

目次

第1章 「人種」、エスニシティとアイヌ
第2章 夷人と鬼
第3章 旧土人
第4章 滅びゆく民族
第5章 瞳輝く―アイヌの抗議と抵抗(一八六九年〜一九四五年)
第6章 アイヌ解放と福祉植民地主義―新しいアイヌの政治と国家の反応
第7章 自らのために歩み始める―アイヌ民族の出現
補章 画期的な出来事か―一九九七年のアイヌ文化振興法とその影響

出版社・メーカーコメント

辺境の民から搾取の対象へ、そして人種的に劣った「滅びゆく民」へ、また単一民族神話における不可視の存在へ……。アイヌを従属化していった和人と、そのプロセスに介入・抵抗し、自らを先住民族として再定義してゆくアイヌの複雑に交差する歴史。コロニアリズム/レイシズム研究を導入した画期的アイヌ史、待望の翻訳。

著者紹介

シドル,リチャード (シドル,リチャード)   Siddle,Richard
1959年スリランカ生まれ。81年にレディング大学を卒業(理学士号、農業経済学)。翌年に初来日し、89年まで英語講師をしながら日本語を学ぶ。その後、イギリスのシェフィールド大学大学院に入学。95年、アイヌ近現代史についての博士論文で博士課程を修了。博士(日本研究)。琉球大学で日本学術振興会客員研究員を経て、97年にシェフィールド大学大学院東アジア研究所の助教授に着任。同研究所では日本における多文化主義について、歴史学と社会人類学の観点から研究をつづける。2011年に日本に戻り、19年まで北海道大学特任教授を務める。沖縄や日本における多文化主義についての編著、論文も多数ある
ウィンチェスター,マーク (ウィンチェスター,マーク)   Winchester,Mark
1979年イギリス生まれ。シェフィールド大学東アジア研究所にて、リチャード・シドル氏に教わる。同大学卒業後、一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻修士・博士両課程を修了。博士(社会学)。一橋大学社会学研究科特任講師、日本学術振興会外国人特別研究員、神田外語大学日本研究所専任講師を経て、現在は国立アイヌ民族博物館のアソシエイトフェロー。専門はアイヌ近現代思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)