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農業消滅 農政の失敗がまねく国家存亡の危機

平凡社新書 979

出版社名 平凡社
出版年月 2021年7月
ISBNコード 978-4-582-85979-9
4-582-85979-8
税込価格 968円
頁数・縦 239P 18cm

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要旨

現在、日本の食料自給率は38%とされ、3分の2弱を輸入食品に依存している。そして現状の農業などの食料生産システムが変わらなければ、自給率はさらに低下。コロナ禍のような状況で輸出規制や物流の寸断が生じれば、飢餓に陥りかねないと警告する声もある。日本の農業政策はどう変わればいいのだろうか。本書では、日本の農業が直面する危機的状況とその原因について論じつつ、農業こそが、国民の命や生活、環境を守る安全保障の要であることを強調。国民全体で支えることで「強い農業」をつくるための方向性を提言している。“過保護”と指摘されることも多い日本の農業だが、実際には農業所得に占める補助金の割合が先進国の中でもっとも低いのだという。著者は、むしろ日本は生産者のセーフティーネットを整備するとともに、国民が農業の重要性を認識すべきと主張している。著者は東京大学大学院農学生命科学研究科教授。専門は農業経済学。農林水産省、九州大学大学院教授を経て2006年より現職。FTA産官学共同研究会委員、食料・農業・農村政策審議会委員、財務省関税・外国為替等審議会委員、経済産業省産業構造審議会委員、コーネル大学客員教授などを歴任した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2021年8月31日]

商品内容

要旨

徹底した規制緩和で、食料関連の市場規模はこの30年で1・5倍に膨らむ一方、食料自給率は38%まで低下。農家の総収入は13・5兆円から10・5兆円へと減少し、低賃金に、農業従事者の高齢化と慢性的な担い手不足もあいまって、“農業消滅”が現実のものになろうとしている。人口増加による食料需要の増大や気候変動による生産量の減少で、世界的に食料の価格が高騰し、輸出制限が懸念されるなか、日本は食の安全保障を確立することができるのか。農政の実態を明かし、私たちの未来を守るための展望を論じる。

目次

序章 飢餓は他人事ではない
第1章 2008年の教訓は生かされない
第2章 種を制するものは世界を制す
第3章 自由化と買い叩きにあう日本の農業
第4章 危ない食料は日本向け
第5章 安全保障の要としての国家戦略の欠如
終章 日本の未来は守れるか

著者紹介

鈴木 宣弘 (スズキ ノブヒロ)  
1958年三重県生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科教授。専門は農業経済学。82年東京大学農学部卒業。農林水産省、九州大学大学院教授を経て2006年より現職。FTA産官学共同研究会委員、食料・農業・農村政策審義会委員、財務省関税・外国為替等審議会委員、経済産業省産業構造審議会委員、コーネル大学客員教授などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)