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明治維新勝者のなかの敗者 堀内誠之進と明治初年の尊攘派

出版社名 山川出版社
出版年月 2021年7月
ISBNコード 978-4-634-15195-6
4-634-15195-2
税込価格 2,750円
頁数・縦 387,9P 20cm

商品内容

要旨

政府高官暗殺事件、士族反乱、西南戦争―。維新後に切り捨てられた多くの志士たちによる数々の重要事件に深く関わりながら、忘れ去られようとしていた謎の人物の軌跡を、35年にわたる膨大な調査・研究から掘り起こす!

目次

第1部 脱藩草莽篇(生い立ち
幕末
維新後の攘夷派
大村益次郎暗殺
奇兵隊反乱 ほか)
第2部 不平士族篇(鹿児島預り
弟たち
西南戦争
土佐派の陰謀
潜伏逃亡 ほか)

出版社・メーカーコメント

「堀内誠之進」という土佐藩出身の幕末維新の志士がいる。今日、その名はほとんど知られていないが(『日本人名大辞典』講談社には記載あり)、寺石正路『続土佐偉人伝』(1923)には、「誠之進三度謀反の企てにあづかり三度失敗して遂に獄中に憤死す其そ行、中道にあらずと雖も倔強の奇男子なりといふべし」と紹介されている。この3度というのは「奇兵隊の反乱」(1870年)、「二卿事件」(1871年)、「西南戦争」(1877年)であり、いずれも攘夷を捨てた有司専制の新政府に対する決起行動で、堀内は首謀者またはオーガナイザーとして深くかかわった。堀内の生涯には、徳川幕府を倒し新政府の樹立に功ありながらも維新後切り捨てられ、弾圧されていった幾多の「草莽の志士」「不平士族」たちの失望、憤激、悲劇が凝縮されており、そうした理想に敗れたものたちのなかにあって「征韓論」「西南戦争」「自由民権運動」と幅広くかかわった稀有な人物であるため、彼の生涯を追うことでそうした様々な敗者を具現化できるのではないかと考える。

著者紹介

遠矢 浩規 (トオヤ ヒロキ)  
1963年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業(政治哲学)、マサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了(イノベーションの理論・政策)、慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了(国際関係論)。博士(法学)。経団連(国際経済部など)、アジア経済研究所客員研究員、広島大学法学部教授を経て、早稲田大学政治経済学術院教授。早稲田大学でのオンデマンド講義「国際政治経済学」は同大学の「2020年度第9回WASEDA e‐Teaching Award」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)