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だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

出版社名 講談社
出版年月 2021年10月
ISBNコード 978-4-06-525289-5
4-06-525289-X
税込価格 1,100円
頁数・縦 93P 19cm

商品内容

要旨

二〇二〇年十月十五日、コロナ禍のなか愛知県立一宮高校の生徒に向けておこなわれた講演の記録。碩学のあたたかい語りかけと生徒たちの真摯な応答に、読者もぜひ参加していただきたい。

目次

最初はマスクの話から
なぜ顔を覆うものと、顔そのものとを同じことばで呼ぶのか
ことばって面倒くさいじゃないですか
記憶は脚色される
チグハグでアヤフヤだけど…
「名前のない学校」で
家族インタビュー
「あいつら、ほんとうは弱虫とちゃうか」
寺山修司はこう言った
いちばんつらいことば〔ほか〕

出版社・メーカーコメント

ことばを、 ・だんまり ・つぶやき ・語らい の三つの層で考えてみるというお話に入ろうと思います。 最初にひとつだけ質問させてください。 みんな、ことばって好きですか? 好きなひと、ちょっと手を挙げてくれます? はい。ありがとう。 嫌いなひとは? あら……。そうか、どちらでもないひとが圧倒的に多いみたいですね。 ことばが嫌いなひとがものすごく少ない。これ、ちょっと驚きです。 ぼくはですね……じつはことばが苦手、というか、嫌いな人間なんです(笑)。 それで、いまの若い世代の人って、ぼく以上に嫌いなのかなって思っていたんで、虚を衝かれました。 でも、みなさん。だれかとしゃべる、ひとと話すことって、読むとか書くよりしんどくないですか? しゃべりたくないときでも、黙っていると場から浮いてしまうんじゃないか。 メールが来たらすぐ返さないと、なんか悪くとられてしまうんじゃないか。もうつきあってもらえなくなるんじゃないか とか、いろいろありそうですね。 しゃべりたくないときには黙っている、しゃべりたくなったら口をひらくのがいちばんラクだと思うのに、なぜかいつもしゃべらないといけないような空気みたいなものがある。ぼくはそれを敏感に感じるほうです。 ことばって面倒くさいじゃないですか。 じゃないですかって、挙手をみるかぎり、みなさんのほとんどがそう思っていないようですから、ちょっと困るところではありますが(笑)、ぼくは、ことばってすっごく面倒くさいものだと思っているんですね。 というのは、たいていの場合、ことばのほうが過剰か過少であり、ピタリ、ズバリはまずない。そのアンバランスというか、チグハグさにひとは苦しみ悶える。…… 2020年10月15日、コロナ禍のなか愛知県立一宮高等学校でおこなわれた講演の記録。碩学のあたたかい語りかけと生徒たちの真摯な応答に読者はいつしかわが身をふりかえることだろう。

著者紹介

鷲田 清一 (ワシダ キヨカズ)  
1949年京都生まれ、哲学者。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。大阪大学文学部教授などを経て、大阪大学総長(2007〜2011年)。2015〜2019年、京都市立芸術大学理事長・学長。現在はせんだいメディアテーク館長、サントリー文化財団副理事長。医療や介護、教育の現場などに哲学の思考をつなぐ臨床哲学を提唱・探求する。朝日新聞一面に「折々のことば」を連載。『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『「聴く」ことの力―臨床哲学試論』(ちくま学芸文庫、桑原武夫学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(角川選書、読売文学賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)