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世界を一枚の紙の上に 歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生

出版社名 オーム社
出版年月 2021年12月
ISBNコード 978-4-274-22785-1
4-274-22785-5
税込価格 4,950円
頁数・縦 269P 26cm

商品内容

要旨

いまから200年以上前に制作された、一枚の図―この図は、「近代デザインの父」とされるモリスらの活動を半世紀以上も先行していただけでなく、現代のダイアグラム表現を凌駕する、高度な領域に達していた!?デザイン史を揺さぶるこのグラフィックは、なぜ、制作されたのか―「世界を描く」という不可能に挑戦した人たちの知られざる科学的グラフィズム150年の軌跡。雑誌『アイデア』の連載を書籍化。

目次

第1部 「自然画」と生態学的視線の芽生え(世界を一枚の紙の上に―近代デザインの祖としてのアレクサンダー・フォン・フンボルト
「コスモス」の視覚化―ハインリヒ・ベルグハウスの『自然アトラス』とフンボルティアン・グラフィズムの展開)
第2部 近代社会のタブロー(「社会」を描く―国民国家の確立と初期の統計グラフィック
再組織化される国土―シャルル・ジョセフ・ミナールの流動地図
政策としての統計図表―エミール・シェッソンの『図的統計アルバム』)
第3部 地球の再組織に向けて(地球の「描き方」―エリゼ・ルクリュの地図批判
視覚言語による社会革命―オットー・ノイラートの『社会と経済』アトラス
「世界」を収集し、分類し、体系化する―ポール・オトレの20世紀型“百科全書”)

出版社・メーカーコメント

グラフィックの起源とは何か。人類は科学を通して「世界」をどう描いてきたか。雑誌〈アイデア〉の好評連載、待望の書籍化。古来より人類は、絵(図)を駆使して「世界」を描いてきました。ですが、「世界が丸くなった」のは1687年(地動説が証明された)で、大陸最後となる「南極大陸の発見」は1820年など、いま身の回りにある“当たり前”は、実は、人類史の中では「比較的最近の出来事」ということも少なくありません。なかでもナポレオンが活躍した19世紀の西欧は、「視覚革命」とも呼べるほど、「科学的アプローチによる世界把握」(自然地理学、生態学、地図学、統計学(人口や面積、経済)、物理学、鉄道など工業化)が発展した時代でした。本書は、この19〜20世紀初頭までのおよそ1世紀について、人類がどのように「世界(情報)を図化してきたか」を扱い、グラフィックデザインの起源に迫ろうとする骨太な歴史読み物です。* なお、本書はデザイン雑誌〈アイデア〉にて、好評連載された《生態学的世界観の視覚化》の内容をもとに、構成の見直しや加筆・修正を行った上、書籍化したものです。

著者紹介

大田 暁雄 (オオタ アキオ)  
デザイン研究家、デザイナー、プログラマー。1981年愛知県生まれ。武蔵野美術大学修士課程修了、芝浦工業大学博士課程単位取得退学。ダイアグラム・主題地図を中心とした情報視覚化の研究を行う。『世界を一枚の紙の上に―歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』が初の単著となる。2019年より武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)