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三木清戦間期時事論集 希望と相克

中公文庫 み39−2

出版社名 中央公論新社
出版年月 2022年2月
ISBNコード 978-4-12-207184-1
4-12-207184-4
税込価格 990円
頁数・縦 266P 16cm

商品内容

要旨

不況にあえぐ国民が軍部の暴走の同調する中、三木清は、一九三〇年代前半には自由主義を守るため奮闘、後半には昭和研究会で積極的に活動、独自の共同体論を掲げて歯止めをかけようとした。本書は「中央公論」などに発表した時事随想を収録。獄中死するまで、現実に寄り添いながら新時代を構想し続けた思考と気骨のある精神に学ぶ。

目次

自由主義者の立場―倉田氏の所論を読みて
浪漫主義の擡頭
現代の浪漫主義について
自由主義以後
最近の哲学的問題
非合理主義的傾向について
非劇を知らぬ国民
日本的性格とファッシズム
教養と時代感覚
デカルトと民主主義
知識階級と伝統の問題
日本的知性について
時代の感覚と知性
弾力ある知性
パスカルの人間観
日本の現実
思想の貧困
現代日本に於ける世界史の意義
知性人の立場
知性の改造
ユートピア論

出版社・メーカーコメント

不況にあえぐ国民が軍部の暴走に同調する中、現実に寄り添いながらも理想を捨てなかった三木の時事随想を収録。気骨のある精神と生き方に学ぶ。

著者紹介

三木 清 (ミキ キヨシ)  
明治30(1897)年兵庫県生まれ。京都帝国大学で西田幾多郎、波多野精一、ハイデルベルク大学でリッケルト、マールブルク大学でハイデガーの教えを受ける。昭和2(1927)年法政大学教授。翌年、「唯物史観と現代の意識」は社会主義と哲学の結合について知識人に大きな影響を与えた。昭和5(1930)年共産党に資金を提供した容疑で治安維持法違反で検挙、入獄中に教職を失い著作活動に入る。以後マルクス主義から一定の距離を保ち、実在主義と西田哲学への関心を示す。昭和13(1938)年には近衛文麿のブレーンとして結成された昭和研究会に参加、体制内抵抗の道を模索したが挫折。昭和20(1945)年3月、再度、治安維持法違反容疑で投獄、9月獄死
長山 靖生 (ナガヤマ ヤスオ)  
評論家・近代思想史。1962年、茨城県生まれ。『偽史冒険世界』で大衆文学研究賞、『日本SF精神史』で星雲賞、日本SF大賞、『同“完全版”』で日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)