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Just Money 未来から求められる金融

出版社名 金融財政事情研究会
出版年月 2022年3月
ISBNコード 978-4-322-13980-8
4-322-13980-9
税込価格 2,200円
頁数・縦 179P 21cm

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要旨

SDGsの広まりにつれ、世界的にあらゆる業種の企業や組織が社会的課題の解決に向けた取り組みを進めるようになってきている。「金融」も例外ではない。中でも新しい金融のあり方として注目されるのが、社会的課題や環境問題の解決をコア・ミッションに掲げ、利益追求よりもそれらを優先する金融機関だ。本書では、金融を手段にした貧困や格差、食料問題、環境問題などの解決を主目的に設立され、活動する金融機関を「ジャスト・バンキング」と名づけ、世界各国における具体例を紹介しながら未来の金融のあるべき姿を探っている。書名およびジャスト・バンキングの“just”には“fair(正しい、公正な)”と“only(ほんの…にすぎない)”という二つの意味があり、本書ではこの両方の意味を「新しい金融」の本質を示すものとして用いている。すなわち「金融とは人々の幸福のための単なる道具にすぎない」ということだ。著者のカトリン・カウファー氏は、MIT都市研究計画学部コミュニティ・イノベーターズ・ラボ(CoLab)のJust Moneyプログラムディレクターおよびプレゼンシング・インスティテュートのエグゼクティブ・ディレクター。リリアン・ステポネイティス氏は、米国セルフ・ヘルプ連邦信用組合(SHFCU)の特別プロジェクトマネジャー、MITコミュニティ・イノベーターズ・ラボ(CoLab)の大学院フェロー。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年4月20日]

商品内容

要旨

ESGやSDGsを超える未来の金融の姿。世界にはこんな素敵な銀行がある!

目次

第1章 ジャスト・マネー―変化をもたらす手段としての金融(ジャスト・バンキング:エゴシステムからエコシステム金融へ
私たちの未来は銀行にかかっている ほか)
第2章 トライアングルアンカー―ガバナンス、組織、リーダーシップを再考する(利益とミッションの間にはトレードオフが存在しているか?
ジャスト・バンキングの原則を堅持するための組織的なアンカリング(Institutional Anchoring) ほか)
第3章 ジャスト・バンキングをめぐる制度的な課題と機会(金融セクターにおける制度的な課題
ジャスト・バンクにおける制度的な課題 ほか)
第4章 インパクトを理解するための学習基盤(複雑系の学習プロセスとしてのインパクトの計測
インパクトを生み出すための4つの戦略 ほか)
第5章 ジャスト・マネー―エゴシステムからエコシステム金融へ(ビジネスと社会の関係
エコシステム視点からの革新 ほか)

出版社・メーカーコメント

銀行や金融機関は、経済やお金の流れを円滑にして、社会を変えるインパクト・イノベーションを起こすことができるユニークな存在である。その特徴をいかして、金融システムの”辺境”から、さまざまな社会的課題に挑戦する世界の金融機関を紹介。彼らの経験を共有し、金融の未来やその背景となる経済モデルについての議論に一石を投じる一冊。

著者紹介

カウファー,カトリン (カウファー,カトリン)   Kaufer,Katrin
MIT都市研究計画学部コミュニティ・イノベーターズ・ラボのJust Moneyプログラムディレクター、およびプレゼンシング・インスティテュートのエグゼクティブ・ディレクター。専門分野は、リーダーシップ、組織変革、バリュー・ベースド・バンキング(価値を大切にする金融)のほか、変革的リテラシー研究。中堅企業やグローバル企業、非営利法人に加えて、国際開発組織と協働。2013年、ミッション・ベースド・バンキングをテーマとしたMITx Just Money大規模公開オンライン講座を共同で創設。また、同僚とともに、「価値を大切にする金融のグローバル・アライアンス(gabv.org)」の会員行向けGABVリーダーシップアカデミーを立ち上げている。ドイツのヴィッテン・ヘアデッケ大学で経済学博士号を取得。MITスローン・マネジメント・レビューで同誌の年間最優秀論文に与えられる“Richard Beckhard Memorial Prize”を受賞した
ステポネイティス,リリアン (ステポネイティス,リリアン)   Steponaitis,Lillian
米国カリフォルニア州オークランドを本拠とするセルフ・ヘルプ連邦信用組合(SHFCU)の特別プロジェクトマネジャー、MITコミュニティ・イノベーターズ・ラボ(CoLab)の大学院フェロー。CoLabでの専門領域は、金融機関がより公正・公平・民主的な経済の創造のために果たす役割。2016年、カトリン・カウファー博士と共同でJust BankingをテーマとしたMITx Just Moneyオンライン講座の研究開発に従事。同講座はこの分野では初めての試みであったが、世界中で数万人の参加を得ている。SHFCUでは現在、研究者としてのキャリアや知見を実践に活かして、革新的な貸出プログラムや地域貢献型の不動産プロジェクトの開発運営に携わっている。ノースカロライナ大学チャペルヒル校にて、経済学と地理学で学位、マサチューセッツ工科大学にて都市計画学の修士号を取得
江上 広行 (エガミ ヒロユキ)  
株式会社URUU代表取締役、一般社団法人価値を大切にする金融実践者の会(JPBV)代表理事事務局長、グロービス経営大学院専任教授、一般社団法人エミーバンク協会理事。1967年石川県金沢市生まれ。1989年金沢大学経済学部卒業。地方銀行、システム開発会社を経て2018年9月株式会社URUUを設立。「利益よりも価値を大切にする金融の普及」「創発を生む組織対話のファシリテーション」「その人らしさを解放するリーダーシップ教育」「ワークショップ『エミー・ゼニーゲーム』」などの事業を営んでいる
大濱 匠一 (オオハマ ショウイチ)  
1980年株式会社横浜銀行入行、デリバティブ商品開発、海外支店等でリスク管理等に従事、2001年よりNY駐在員事務所にて米金融市場・米銀動向等の調査実施、SRIに関心を持つ。帰国後は営業戦略本部等勤務を経て2018年退職、横浜国立大学国際社会科学府博士課程前期入学、2020年修了。現在、同博士課程後期にて「ソーシャル・ファイナンス」をテーマとした研究を継続しつつ、JPBVの活動を支援。CFA、日本証券アナリスト協会検定会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)