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病いの会話 ネパールで糖尿病を共に生きる

出版社名 京都大学学術出版会
出版年月 2022年2月
ISBNコード 978-4-8140-0394-5
4-8140-0394-3
税込価格 4,730円
頁数・縦 383P 22cm

商品内容

文学賞情報

2022年 第17回 樫山純三賞受賞

要旨

「なんて無知で無教育な人々か」―阿鼻叫喚の病院の待合室、「完全にすれ違った」医師と患者/家族のやりとり、処方も指導も守らない人々が繰り広げる病いをめぐる「脈絡のない」会話―本書に描かれる事例を、ネパールの身体/社会文化に関する予備知識なく読んだ途端、あなたはそう思うだろう。しかしそれは違う。人々にとって痛く辛い経験は、科学の知識体系や検査数値とは別にある。理解し難いその態度は、身体の経験を、“不器用な”配慮の中で、皆とひたすら共有しようとする生活実践なのだ。生物医療が急速かつ無秩序に導入された国で、人々が、「共に生き共に死んできた」間身体的な生き方に、COVID‐19下の私たちが何を学べるか。医療人類学の挑戦。

目次

序章 ネパールの糖尿病患者をめぐる問い
第1章 「壊れている(bigreko)」とは何を意味するか―ネパールにおける生物医療の略史と現状
第2章 病院・薬局での「すれ違い」―生物医療施設における人々の経験
第3章 食事と薬をめぐる身体感覚と実践―経験によりつくられる糖尿病
第4章 病いの不確かさへの対峙と、他者とのかかわり―糖尿病をめぐる会話と関係性
第5章 身体をめぐる交渉―内分泌科専門クリニックの事例
終章 病いの会話と「共に生きる」こと

著者紹介

中村 友香 (ナカムラ ユカ)  
日本学術振興会特別研究員(PD)、国立民族学博物館外来研究員。1990年生まれ。2020年、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。第10回育志賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)