• 本

爆弾

出版社名 講談社
出版年月 2022年4月
ISBNコード 978-4-06-527347-0
4-06-527347-1
税込価格 1,980円
頁数・縦 425P 20cm

NetGalley 会員レビュー

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

とにかく、読み始めたが最後。読み終わるまでやめられない。謎の中年男の、奇妙な話術に、読者もハマってしまう事間違いなし。巧妙に隠されたヒントに翻弄され、仕掛けられた爆弾を探すシーン、その緊迫感たるや。思わず呼吸する事も忘れて読んだ。単純に「エンタメ小説」と括られる話ではなく、誰もが、どこか自分の姿を省みる事になる。他人から断罪され、許容される事の理不尽。誰かが虐げられる事で生まれる悲劇のループ。少しのかけ違いで、凄惨な現実が襲う事があれば、少しの思いやりで、誰かが救われる事もあるのだと、希望も絶望も味わえる一冊だった。歪な社会に生きる中で、この作品から得られる学びは、人の数だけあろうと思う。

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

酔っ払って酒屋の店主を殴ったとして逮捕されたスズキタゴサク。霊感があり爆破事件を予想できるという…スズキが言ったように爆破事件が起こり…この男に警察が翻弄されていく。人の心の中の触れてはいけないところ、言ってはいけないところが炙り出される。何とか自分を騙して、認めないようにして、目を逸らしてきたタブーをお構いなしに突き付けてくる。物語を読んでいると現実の話しと分からなくなり、登場人物が物語の中以外でも生きていてほしいと思うことがあるが、スズキタゴサクに関しては、物語の中だけで十分と思った。本当の爆弾はどこにあるのか?認めても爆発しないように閉じ込められるか?あなたの爆弾はどこに?と迫ってくる。

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

20ページも読めば、もうやめられなくなるような小説でした。スズキタゴサクはサイコキラーかと思いきや、中盤から何だか人間の真理を突くような発言が目立ち、衝撃的に登場した序盤と終盤では大きく印象が変わってしまいました。正直警察サイド、一般的には正義とされる側が霞んでしまうほどのインパクトがありました。

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。
・サイト上には、出版社が発売前の本のゲラやイチオシ既刊本を掲載しています。
・読んでみたい作品にリクエストを送り、出版社に承認されること、読むことができます。
・読んだ作品にレビューやコメントを書くことで、出版社へ直接メッセージを届けることができます。
詳しくはこちら ※e-honとは別サイトに移動します

商品内容

要旨

無差別爆破テロ。動機も目的もわからない。爆弾の在り処の手がかりは、容疑者と思しき中年男が出す“クイズ”のみ。限られたヒントしかない状況で、警察は爆発を止めることができるのか。狭小な取調室の中で、最悪な男との戦いが始まる。

出版社・メーカーコメント

都民1400万人を人質にとる無差別爆破テロ。狭小な取調室の中で、正体不明の容疑者と警察の戦いが始まる。

著者紹介

呉 勝浩 (ゴ カツヒロ)  
1981年青森県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年、『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。’18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞、同年『ライオン・ブルー』で第31回山本周五郎賞候補、’19年『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』で第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)候補、’20年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞受賞、同作は第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)も受賞し、第162回直木賞候補ともなった。’21年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)