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機械仕掛けの太陽

出版社名 文藝春秋
出版年月 2022年10月
ISBNコード 978-4-16-391608-8
4-16-391608-3
税込価格 1,980円
頁数・縦 468P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 機械仕掛けの太陽

    未知のウイルスへの恐怖は現実となった。他国の小さなニュースに始まり、マスク騒動、危機感への温度差、混迷する政策、不安から生まれる差別、家族への感染とすべてが現実に起きてしまった。その間、絶え間なく戦い続ける医療従事者たちも、誰もが死を恐れ、家族を思いやる普通の人間であった。それでも逃げない姿に我々は救われている。医師である作家の説得力ある描写によって、正しい恐れを知ることができる。プロローグ2019年秋の“それ”に対するざわめきが、最後まで止まらなかった。緻密さと凝縮されたエネルギーが詰まった知念作品で密度の濃い時間を過ごすことができるだろう。

    (2022年11月28日)

商品内容

要旨

これは未知のウイルスとの戦いに巻き込まれ、“戦場”に身を投じた3人の物語―大学病院の勤務医で、シングルマザーの椎名梓。同じ病院に勤務する20代の女性看護師・硲瑠璃子。引退間近の70代の町医者・長峰邦昭。あのとき医療の現場では何が起こっていたのか?自らも現役医師として現場に立ち続けたからこそ描き出せた圧巻の物語。

出版社・メーカーコメント

現役医師として新型コロナを目の当たりにしてきた人気作家が満を持して描く、コロナ禍の医療現場のリアル。 2020年初頭、マスクをして生活することを誰も想像できなかった――これは未知のウイルスとの戦いに巻き込まれ、”戦場”に身を投じた3人の物語。 大学病院の勤務医で、呼吸器内科を専門とする椎名梓。彼女はシングルマザーとして、幼児を育てながら、高齢の母と同居していた。コロナ病棟の担当者として、最前線に立つことになる。 同じ病院の救急部に勤務する20代の女性看護師・硲瑠璃子は、結婚目前の彼氏と同棲中。独身であるがゆえに、コロナ病棟での勤務を命じられる。 そして、70代の開業医・長峰邦昭。町医者として、地元に密着した医療を提供し、息子にはそろそろ引退を考えるように勧められている。しかし、コロナ禍で思い掛けず、高齢で持病もある自身の感染を恐れながらも、現場に立つことを決意する。 あのとき医療の現場では何が起こっていたのか? 3人はそれぞれの立場に苦悩しながら、どのようにコロナ禍を生き抜くのか。 全人類が経験したあの未曾有の災厄の果てに見いだされる希望とは。自らも現役医師として現場に立ち続けたからこそ描き出せた感動の人間ドラマ。

著者紹介

知念 実希人 (チネン ミキト)  
1978年、沖縄県生まれ。東京都在住。東京慈恵会医科大学卒。2011年、第四回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を「レゾン・デートル」で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年『仮面病棟』が啓文堂書店文庫大賞を受賞、ベストセラーに。『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi(上・下)』『硝子の塔の殺人』で、本屋大賞四度ノミネート(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)