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この父ありて 娘たちの歳月

出版社名 文藝春秋
出版年月 2022年10月
ISBNコード 978-4-16-391609-5
4-16-391609-1
税込価格 1,980円
頁数・縦 277P 20cm

商品内容

要旨

不朽の名作を生んだ9人の女性作家たち。唯一無二の父娘関係が生んだ、彼女たちの強く、しなやかな生涯。

目次

渡辺和子―「私は父の最期のときを見守るために、この世に生を享けたのかもしれない」
齋藤史―「もののふの父の子に生れもののふの父の寂しさを吾が見るものか」
島尾ミホ―「死ニタイ、シンドイ、結婚シタ事ヲ悔ヤム。ジュウ(父)ヲ捨テテ来タバチカモ」
石垣りん―「父と義母があんまり仲が良いので鼻をつまみたくなるのだ」
茨木のり子―「いい男だったわ お父さん 娘が捧げる一輪の花」
田辺聖子―「やさしい言葉の一つもかけることなく、父を死なせてしまった」
辺見じゅん―「父が亡くなり、私もまた死んだと思った」
萩原葉子―「私はまさしく父親の犠牲者としてこの世に生まれた」
石牟礼道子―「憎くて、ぐらしかおとっつあま、地ごく極楽はおとろしか」

出版社・メーカーコメント

石牟礼道子、茨木のり子、島尾ミホ、田辺聖子、辺見じゅん……。不朽の名作を生んだ9人の女性作家たち。唯一無二の父娘(おやこ)関係が生んだ、彼女たちの強く、しなやかな生涯。『狂うひと』『原民喜』『サガレン』など、話題作を発表し続けるノンフィクション作家が紡ぐ、豊穣たる父娘の物語(ナイン・ストーリーズ)。目次・渡辺和子  目の前で父を惨殺された娘はなぜ、「あの場にいられてよかった」と語ったのか?・齋藤 史  二・二六事件で父は投獄された。その死後、天皇と対面した娘が抱いた感慨とは――。・島尾ミホ  慈愛に満ちた父を捨て、娘は幸薄い結婚を選んでしまい、それを悔い続けた……。・石垣りん  四人目の妻に甘えて暮らす、老いた父。嫌悪の中で、それでも娘は家族を養い続けた。・茨木のり子  時代に先駆けて「女の自立」を説いた父の教えを、娘は生涯貫いた。・田辺聖子  終戦後の混乱と窮乏のなかで病み衰えた父の弱さを、娘は受け入れられなかった。・辺見じゅん  父の望む人生を捨てた娘は、父の時代――戦争の物語を語り継ぐことを仕事とした。・萩原葉子  私は、父・朔太郎の犠牲者だった――。書かずには死ねないとの一念が、娘を作家にした。・石牟礼道子  貧しく苦しい生活の中でも自前の哲学を生きた父を、娘は生涯の範とした。 ・「書く女」とその父 あとがきにかえて

著者紹介

梯 久美子 (カケハシ クミコ)  
ノンフィクション作家。1961年、熊本市生まれ。北海道大学文学部卒業後、編集者を経て文筆業に。2005年のデビュー作『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。同書は米、英、仏、伊など世界八か国で翻訳出版されている。16年刊行の『狂うひと「死の棘」の妻・島尾ミホ』では、読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞、講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)