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我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上

アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか

出版社名 文藝春秋
出版年月 2022年10月
ISBNコード 978-4-16-391611-8
4-16-391611-3
税込価格 2,420円
頁数・縦 380P 20cm
シリーズ名 我々はどこから来て、今どこにいるのか?

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要旨

通常は経済学や政治学で分析される現代世界の危機や混乱を、人類学的見地から検証することで、より根本的な知見や解決策が見出せるかもしれない。各国は歴史的に培われた価値観にもとづいて行動しているからだ。歴史人口学者エマニュエル・トッド氏はその手法をとる。本書は、エマニュエル・トッド氏が、太古のホモ・サピエンス誕生から現代世界までの人類史を描いた歴史書である。政治や経済は、教育、宗教、家族といった人類学的土台に規定されているというのが、トッド氏のアプローチだ。上巻では、各国・地域の人々の行動の深層にある「家族システム」についてその類型を紹介しつつ、18世紀以来の世界史を英米がリードしてきたのはなぜかを解明する。現代の英米で支配的な家族システムは「核家族」であり、それは新石器時代の狩猟採集民とさほど変わらないが、原初に近い家族システムが、西洋の近代を生み出したという逆説が明かされる。著者はフランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、「ソ連崩壊」「米国発の金融危機」「アラブの春」を、さらにはトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に“予言”。著書に『エマニュエル・トッドの思考地図』(筑摩書房)などがある。なお、ダイジェストでは、序章のうち、3節から抜粋した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年12月9日]

商品内容

要旨

ホモ・サピエンス誕生からトランプ登場までの全人類史を「家族」という視点から書き換える革命の書!人類は、「産業革命」よりも「新石器革命」に匹敵する「人類学的な革命」の時代を生きている。「通常の人類学」は、「途上国」を対象とするが、「トッド人類学」は「先進国」を対象としている。世界史の趨勢を決定づけているのは、米国、欧州、日本という「トリアード(三極)」であり、「現在の世界的危機」と「我々の生きづらさ」の正体は、政治学、経済学ではなく、人類学によってこそ捉えられるからだ。上巻では、これまで「最も新しい」と思われてきた「核家族」が、実は「最も原始的」であり、そうした「原始的な核家族」こと「近代国家」との親和性をもつことが明らかにされ、そこから「アングロサクソンがなぜ世界の覇権を握ったか」という世界史最大の謎が解き明かされる。

目次

序章 家族構造の差異化と歴史の反転
第1章 家族システムの差異化―ユーラシア
第2章 家族システムの差異化―先住民たちのアメリカとアフリカ
第3章 ホモ・サピエンス
第4章 ユダヤ教と初期キリスト教―家族と識字化
第5章 ドイツ、プロテスタンティズム、世界の識字化
第6章 ヨーロッパにおけるメンタリティの大変容
第7章 教育の離陸と経済成長
第8章 世俗化と移行期の危機
第9章 イギリスというグローバリゼーションの母体
第10章 ホモ・アメリカヌス

出版社・メーカーコメント

ホモ・サピエンス誕生からトランプ登場までの全人類史を「家族」という視点から書き換える革命の書! 人類は、「産業革命」よりも「新石器革命」に匹敵する「人類学的な革命」の時代を生きている。「通常の人類学」は、「途上国」を対象とするが、「トッド人類学」は「先進国」を対象としている。世界史の趨勢を決定づけているのは、米国、欧州、日本という「トリアード(三極)」であり、「現在の世界的危機」と「我々の生きづらさ」の正体は、政治学、経済学ではなく、人類学によってこそ捉えられるからだ。 上巻では、これまで「最も新しい」と思われてきた「核家族」が、実は「最も原始的」であり、そうした「原始的な核家族」こそ「近代国家」との親和性をもつことが明らかにされ、そこから「アングロサクソンがなぜ世界の覇権を握ったか」という世界史最大の謎が解き明かされる。

著者紹介

トッド,エマニュエル (トッド,エマニュエル)   Todd,Emmanuel
1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)で「ソ連崩壊」を、『帝国以後』(2002年)で「米国発の金融危機」を、『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を、さらにはトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に“予言”
堀 茂樹 (ホリ シゲキ)  
1952年生まれ。慶應義塾大学名誉教授(フランス文学・思想)。翻訳家。アゴタ・クリストフの『悪童日記』をはじめ、フランス文学の名訳者として知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)