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薄れゆく境界線 現代アメリカ小説探訪

出版社名 講談社
出版年月 2022年11月
ISBNコード 978-4-06-529784-1
4-06-529784-2
税込価格 1,980円
頁数・縦 215P 19cm

商品内容

要旨

ポストモダンと呼ばれる時代、すべては多様化し、さまざまな境界線が薄れ、あるいは正当性を問われ、引き直される。「アメリカ」自体の輪郭がぼやけていくなか、「小説」は時代と社会をどうとらえるのか。「自由の国」のアイデンティティを考察する、現代米文学の最良の道案内。

目次

「知らない世界」はどこに―風俗小説
「場所の感覚」―リージョナリズム/南部小説
「貧乏白人」という表象―「ラフ・サウス」の文学
「普通」の地域に住む「普通」の人々―郊外小説
階級問題の再導入―ノワール小説
駆逐される「闇」―ゴシック小説
一回かぎりのプロジェクト―ロード・ノヴェル
したたかなサバイバル―ドロップアウト小説
アメリカの「お家芸」―戦争小説
ポストモダン的認識の向こうに―メタフィクション〔ほか〕

出版社・メーカーコメント

ポストモダンと呼ばれる時代、さまざまな境界線が薄れ、あるいは正当性を問われ、引き直されてきた。そうした境界線をめぐる攻防の結果としてアメリカ小説が多様化してきたこと、そしてその多様性に「小説」の可能性があることを示唆できたとすれば、本書の目的は果たせたと思っている(第26章より)。グローバル化で「アメリカ」自体の輪郭がぼやけていくなか、近代の産物たる「小説」はどう時代と社会に応接してきたのか――「自由の国」を考察するための新しい「見取り図」。

著者紹介

諏訪部 浩一 (スワベ コウイチ)  
1970年東京生まれ。アメリカ文学者。上智大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中退。ニューヨーク州立大学バッファロー校大学院博士課程修了(Ph.D.)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部准教授。著書に『ウィリアム・フォークナーの詩学 1930‐1936』『アメリカ小説をさがして』(ともに松柏社)、『カート・ヴォネガットトラウマの詩学』(三修社)、『『マルタの鷹』講義』『ノワール文学講義』(ともに研究社、前者は日本推理作家協会賞“評論その他の部門”受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)