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インド外交の流儀 先行き不透明な世界に向けた戦略

出版社名 白水社
出版年月 2022年12月
ISBNコード 978-4-560-09470-9
4-560-09470-5
税込価格 3,630円
頁数・縦 252,25P 20cm

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要旨

2023年には人口が中国を抜き、世界一になると推定されるインド。経済成長だけでなく、米中が覇権を競う中、その間の調整役となり世界情勢を左右する重要な役割も担う国家としての存在感を増している。世界秩序が揺れ動く中で、インドは何を考え、外交においてどのような行動をとろうとしているのだろうか。本書では、現役のインド外務大臣が、同国の外交の基本的な考え方や方針、戦略を明かし、インドの台頭によって描き直される国際関係の見取り図を示す。インド人の思考に深い影響を及ぼし、政策にもそれが反映されるものとして『マハーバーラタ』を取り上げている。同書は、紀元前4世紀から紀元4世紀にかけて成立したとされる叙事詩で、ヒンドゥー教の聖典の一つ。北インドを舞台に、パーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の争いを軸に物語が展開される。その背景や登場人物の思考や行動に現代インドと共通するものがあるのだという。著者は1977年にインド外務省に入省し、駐日大使館次席公使、駐チェコ大使、駐中国大使、駐米大使、外務次官などを歴任。退官後、2019年5月に発足した第2次モディ政権で外相に就任したほか、同年7月からは上院議員(インド人民党所属)も務めている。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年1月11日]

商品内容

目次

第1章 アワドの教訓―戦略的充足感の危険性
第2章 分断の技法―フラット化する世界の中のアメリカ
第3章 クリシュナの選択―新興大国の戦略文化
第4章 インドのドグマ―歴史由来の躊躇をいかに乗り越えるか
第5章 官僚と大衆―世論と西洋
第6章 ニムゾ・インディアン・ディフェンス―中国の台頭をどうマネージするか
第7章 遅れてやってきた運命―インド、日本、そしてアジアにおけるバランス
第8章 パシフィック・インディアン―海洋世界の再登場

出版社・メーカーコメント

現職のインド外相がその「手の内」を明かす 本書は、台頭著しいインドがどのような外交を展開していくのか、そして変貌する世界の中でどのような役割を果たしていくのかについての見取図を示したものである。著者は、インドの現職外務大臣(2019年の第二次モディ政権発足時に就任)。もともと外交官としてインド外務省で駐米大使や駐中国大使をはじめ要職を歴任し、事務方トップの外務次官を務めた。 本書では、多極化する世界の中で国益を冷徹に追求するとともに国際的地位の向上をめざし、国際社会との調和を図っていくというインド外交の要諦が明確に論じられている。ときに叙事詩『マハーバーラタ』を援用して、友好と競争が併存する国との接し方や二国間関係のパワーバランスを変えるための外部要因の活用法など含蓄に富んだ外交論を展開する一方、日米豪が推進する「インド太平洋構想」に対していかに関わっていくかについても別途一章を立てて詳述する。「インドならではの手法」とは何か――現代インドの政治・外交に内在する論理・思考を理解するための必読書だ。 齋木昭隆氏(元外務事務次官・日印協会理事長)推薦!「インド外交の過去・現在・未来がこの一冊で的確に示されている」

著者紹介

ジャイシャンカル,S. (ジャイシャンカル,S.)   Jaishankar,S.
インドの外務大臣、元外交官。1955年ニューデリー生まれ。デリー大学卒業後、ネルー大学で博士号(国際関係論)を取得。1977年にインド外務省に入省し、駐日大使館次席公使(1996‐2000)、駐チェコ大使(2000‐04)、駐シンガポール大使(2007‐09)、駐中国大使(2009‐13)、駐米大使(2013‐15)、外務次官(2015‐18)などを歴任した。退官後、2019年5月に発足した第2次モディ政権で外相に就任したほか、同年7月からは上院議員(インド人民党所属)も務めている
笠井 亮平 (カサイ リョウヘイ)  
1976年愛知県生まれ。岐阜女子大学南アジア研究センター特別客員准教授。中央大学総合政策学部卒業後、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科で修士号取得。在中国、在インド、在パキスタンの日本大使館で外務省専門調査員として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)