絵画とタイトル その近くて遠い関係
出版社名 | みすず書房 |
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出版年月 | 2022年12月 |
ISBNコード |
978-4-622-09556-9
(4-622-09556-4) |
税込価格 | 8,250円 |
頁数・縦 | 272,67P 図版16P 22cm |
商品内容
要旨 |
誰もが知る絵のタイトル、今後もそれ名で呼ばれつづけるだろうあのタイトルは、いつ、誰によってつけられたのか。それは画家が描こうとしたものを本当に正しく伝えているのか。異色の美術論。 |
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目次 |
1 仲介者―命名し流通させる(タイトルがなかったころ |
出版社・メーカーコメント
教会のフレスコ画、貴人の居室を飾る絵画など共通の文化の中で限られた人だけが見ていた時代に「何が描かれているか」の説明は必要なかった。持ち運び可能なイーゼル画が距離的・文化的に遠い土地へ運ばれるようになると、その隔たりを埋め、絵の来歴を記録する言葉が必要になってくる。そして教会や王侯貴族の占有物だった絵が美術館の誕生とともに大衆に開かれると、絵にはますます言葉が必要とされていった。初めてタイトルを自らつけたダヴィッド。言葉の力を信じ、タイトルから物語を想起させつつその物語を凌駕するイメージを描いたターナー。クールベ〈画家のアトリエ〉の長い副題にこめられた意味。音楽用語のタイトルをつけたホイッスラーの戦略。イメージを裏切るタイトルによって独自の不思議な世界を作り出したマグリット。そして、絵の中に取り込んだタイトルを分裂させたり半分消すことで言葉の従来の意味を揺さぶるジャスパー・ジョーンズ……ルネサンスから現代まで、つねにせめぎあってきた絵画とタイトルのスリリングな関係を追う。