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ジョン・メイナード・ケインズ 1883−1946 上 経済学者、思想家、ステーツマン

出版社名 日経BP日本経済新聞出版
出版年月 2023年2月
ISBNコード 978-4-296-11356-9
4-296-11356-9
税込価格 4,950円
頁数・縦 640P 22cm
シリーズ名 ジョン・メイナード・ケインズ

商品内容

要旨

経済学に革命を起こしただけでなく、二つの世界戦争の時代を通じて、思想家として、官僚として、また、国の命運を託された交渉者として、そして文化・芸術愛好家として活躍した、型破りの天才・ケインズの全貌を描き出す。上巻では、両親・家族、出生、幼少期、イートン校、ケンブリッジ大学での生活から、思想形成、大学の秘密ソサエティ・使徒会、ブルームズベリー・グループとの濃密な交友、恋愛関係、第一次世界大戦と『平和の経済的帰結』、『確率論』の執筆、結婚、文化・芸術との関わり、金本位制復帰問題への対応、大恐慌の到来までを描く。

目次

第1部 義務と善(征服王に連なる家系
ケンブリッジの文化―シジウィックとマーシャル
ケンブリッジに育つ
イートン
ケンブリッジ学部生時代
若き日の信条
ケンブリッジとロンドン
リットン、ダンカン、メイナード)
第2部 危機前夜(第一次世界大戦前における経済学への関心
私生活
小春日和)
第3部 無邪気の終わり(戦時への適応
ケインズと第一次世界大戦
危機一髪
紆余曲折―ケインズとパリ講和会議
脅かされる文明)
第4部 戦争の経済的帰結(一九二〇年代のケインズ
平和への移行
確率と善
ロシア問題とドイツ問題
貨幣改革)
第5部 金の十字架(金本位制と結婚
中道思想
ロイド・ジョージとの共闘
貯蓄の謎
不況)

出版社・メーカーコメント

●不安が社会を覆うときには必ずといってよいほど叡智の源泉として振り返られるケインズ。世の中の不確実性にという問題を常に考え続けたケインズの思想はどのようにして形づくられたのか。●高名な歴史家にして経済学者でもある著者、スキデルスキーが、家族、弟子などに直接取材、あらゆる文献を渉猟してケインズのすべてを描く。経済学者ロイ・ハロッド『ケインズ伝』では書かれていない同性愛関係も含め、世界と経済学を変えた人間・ケインズを空前のスケールで描き出す。●構想から完成まで30年を要した有名な3部作の大著を1冊に凝縮。19世紀末から20世紀の大激動の時代の政治・経済・文化を背景に、ケインズの生涯を追体験できる。●両親の素顔、生い立ちに始まり、ブルームズベリー・グループ、秘密クラブ・使徒会など、同性愛を含めた濃密で幅広い交友関係に彩られたイートン、ケンブリッジの少年時代・青春時代から、マーシャルとの出会い、確率論への一貫した強い関心、兵役拒否、大蔵省勤め、大学への復帰、一躍世界にその名を轟かせた第1次世界大戦後のパリ講和条約をめぐる『平和の経済的帰結』、金本位制復帰をめぐる論争、貨幣と経済との関係の追求、疲弊したイギリス経済と産業再生策への関わり、バレリーナとの恋と結婚、マクロ経済学の誕生という経済学に革命をもたらした『一般理論』の執筆、台頭する経済大国アメリカとの資金支援交渉、ブレトンウッズ協定として結実する第2次世界大戦後の経済秩序構想、そして、襲いかかる病魔と闘いながらの厳しい対米資金調達・返還交渉――。●第1次世界大戦が生み出した悲惨な現実に対して社会の活力の取り戻すための知的格闘、芸術・文化と深く関わった人生、ブルームズズベリーの仲間やケンブリッジでの知的な交流、政治家、官僚、経済学者たちと論争を繰り広げながら展開した政策構想・立案など、知性の面から心理に至るまでの多様な側面から、ケインズの思想・理論・人生観がどのように形づくられていったのかを描き出している点が本書の特色。●ケインズの経済思想の秘密は、専門のマクロ経済学、終生戦った政治哲学、究極の倫理的目的という三つの要素から成り立っており、この三つは互いに支え合っていることにある。本書は、このような考え方から、ケインズの人格、知性、識見、感性、功績を時代との関わりを通して濃密に、壮大なスケールでリアルに描き出す。

著者紹介

スキデルスキー,ロバート (スキデルスキー,ロバート)   Skidelsky,Robert
英ウォーリック大学政治経済学名誉教授。英歴史学、経済学アカデミー・フェロー。ケインズ研究の第一人者。3巻本からなるケインズの伝記(1983、1992、2000)を執筆。英議会上院議員を歴任
村井 章子 (ムライ アキコ)  
翻訳者。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)