• 本

蜘蛛の巣上の無明 インターネット時代の身心知の刷新にむけて

日文研・共同研究報告書 186

出版社名 花鳥社
出版年月 2023年2月
ISBNコード 978-4-909832-72-6
4-909832-72-6
税込価格 7,480円
頁数・縦 334,70P 21cm

商品内容

要旨

電子テクノロジーが見逃してきた盲点を突き止める。「蜘蛛の巣」を鍵言葉に、人類の想像力がいかに蜘蛛の巣状に連動し、それが従来の研究方法をいかに刷新するのか。また「蜘蛛の巣」というマトリックスに照らして現実を分析することがいかなる可能性を開くのか。電子媒体を「蜘蛛の巣」webとして捉えることで、そこに潜む危険とも裏腹の将来像を、特定の専門分野の枠組みを横断して探求する。

目次

第1部 想像力―「蜘蛛の巣」が喚起するもの(芸術家としての蜘蛛の系譜―蜘蛛の巣という小宇宙をめぐる詩作の比較文学
蜘蛛の巣上のゴースト ほか)
第2部 研究方法論―「蜘蛛の巣構造」による研究領域の刷新(南方熊楠と蜘蛛―その蜘蛛の巣のような学問方法について
マルグリット・ユルスナール『黒の過程』の思索と方法 ほか)
第3部 生態的社会動態論―「蜘蛛の巣」模型の有効性と限界(蜘蛛のアナンシはささやく―ジーン・リースの混血の讒言者とナンシー・ストーリー
ジョン・ラファージと東洋思想の翻訳網―『画家東遊録』におけるハーバード・アレン・ジャィルズ訳「荘子」 ほか)
第4部 電子媒体・身体と都市―「蜘蛛の巣」情報網Net社会の光と影(蜘蛛の巣上で輻輳する交通と通信
「わざ」とはどのように伝えられるのか―オンライン稽古の(不)可能性からみる身心知の可能性 ほか)
第5部 言語論的転回―脳科学・神経系美学を超えて(蜘蛛の巣としてのラング―丸山圭三郎を手がかりに
認知と蜘蛛の巣―自閉症者(ASD)の自伝を読む ほか)

著者紹介

稲賀 繁美 (イナガ シゲミ)  
京都精華大学国際文化学部、初代学部長を経て特任教授。1957年東京生まれ、広島育ち。東京大学大学院比較文学比較文化専攻単位取得退学・パリ第7大学博士課程修了。三重大学助教授を経て、国際日本文化研究センター・総合研究大学院大学・助教授・教授を経て、2021年より名誉教授。放送大学客員教授。専門は比較文学・比較文化、文化交渉史。ジャポネズリー学会賞、サントリー学芸賞、澁澤クローデル賞特別賞、倫雅美術奨励賞、和辻哲郎文化賞、フランス建築アカデミー出版賞など受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)