• 本

ゴリラ裁判の日

出版社名 講談社
出版年月 2023年3月
ISBNコード 978-4-06-531009-0
4-06-531009-1
税込価格 1,925円
頁数・縦 329P 19cm

NetGalley 会員レビュー

教育関係者

おすすめ度おすすめ度★5

著者の須藤古都離氏にはいい意味で裏切られました。タイトルや作品紹介からだけでは想像し得ない、壮大なエンターテインメントがあなたを待っています。波乱万丈のローズの半生を追いかけながら、読中、何度涙を流したことか。 物語には幾つもの要素が詰め込まれ、読後はいろいろ気になって、「ハランベ事件」に「手話 ウェアラブルツール」「カメルーン ジャングル 旅」等々、ググってしまうこと請け合いです。感動を届け、世界を広げてくれた『ゴリラ裁判の日』に、ただただ感謝です!

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

軽い気持ちで、自然や動物の作品かと思い読み始めた。ところがどっこい、民俗学や司法ドラマあり、人種問題の伏線も張られていたり、色んな分野の作品を一挙に楽しんでいるかのようで、ページをめくる手を止めることができなかった。スピード感があり、自分もゴリラになった気分でドキドキハラハラ。ゴリラのローズ嬢のアメリカンドリームの実現を、心から応援したくなった。爽やかで、暖かい読後感が心に残る、ナイスな作品でした!

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★4

英語を解し手話で会話もできるスーパー雌ゴリラ・ローズ。高知能動物の存在からニンゲンの定義を浮き彫りにする、正統派SFだ。タイトルとメフィスト賞受賞作であることから想像するような、ビザールな作品ではありません。決して堅苦しくなく、古参SFファンのみならず、若い小説の読み手もさくさく読める、ドライブ感のある楽しい作品です。 とにかく主人公ローズがいい! 強く美しくエレガントでちょっと棘もある、まさに薔薇のような女。先行作の動物にありがちな「健気」なところがなく、自分のために生きていて痛快! 弁護士のクソ野郎っぷりも楽しい! このクソ野郎の語る「最終弁論」をよく噛み締め、人間と人権について、思いを新たにしたい。

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

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書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • ゴリラ裁判の日

    メフィスト賞受賞作。この賞は下読みなしでプロの編集者が直接に選ぶという極めてトンガッタ賞である。題名から想像しにくいユニークな作品で、独特な設定を不自然と思わせないなかなかにシリアスなお話。夫ゴリラを人間に射殺され、手話で会話ができるようになったゴリラのローズが一人称で語る主人公。人間とは?動物とは?読みながらに多くの問いかけをもらうことに気づく。読めばゴリラを見る目が間違いなく変わります。

    (2023年4月26日)

商品内容

文学賞情報

2022年 第64回 メフィスト賞受賞

要旨

ローズはとても賢く、特別なゴリラだ。言葉を理解し人間と「会話」ができる。やがて「声」も手に入れた。これからもっと楽しい生活が始まる。そんな時だった。人間の子供を助けるために、という理由で、夫ゴリラが、突然、射殺される。許せない―。そしてローズは、人間に戦いを挑む。力ではなく、知恵と勇気を武器に。法廷で。第64回メフィスト賞満場一致の受賞作。

出版社・メーカーコメント

人間に支配されている正義を取り戻すために。わたしは、戦う。最後まで。

著者紹介

須藤 古都離 (スドウ コトリ)  
1987年、神奈川県生まれ。青山学院大学卒業。2022年「ゴリラ裁判の日」で第64回メフィスト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)