• 本

日本の水商売 法哲学者、夜の街を歩く

出版社名 PHP研究所
出版年月 2023年4月
ISBNコード 978-4-569-85445-8
4-569-85445-1
税込価格 1,760円
頁数・縦 221P 19cm

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要旨

新型コロナウイルス禍においては、主要な感染源の一つとみなされた「夜の街」が時短あるいは休業要請といった規制の対象となった。それにより、飲食店やタクシー業界などが困窮することになり、廃業に追い込まれるケースも多数見られたのは周知の通りである。だが、この規制には根拠が乏しいとする識者も多い。本書では、スナック研究でも知られる法哲学者が、コロナ禍で苦闘する全国各地のスナックやバー、居酒屋をめぐり、「水商売の魂」に触れるとともに、その社会的意義、法哲学の観点から見た「夜の街」規制の問題点などを論じる。日本の、とくに地方ではスナックやバーが一種の「公共圏」として機能しており、地区による恣意的なマーキング(札幌のすすきの地区など)や、夜間の営業自粛要請といった、確たる根拠を欠く規制は、法哲学的に見ても問題があると批判している。著者は東京都立大学法学部教授で法哲学を専門としている。2015年からサントリー文化財団の研究助成の下「スナック研究会」を主催。その成果をもとに『日本の夜の公共圏――スナック研究序説』(白水社)を上梓している。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年7月7日]

商品内容

要旨

すすきの、弘前、銀座、甲府、浜松、小倉、別府…全国の「帰るべき港」を訪ねて。

目次

第1章 狙われた街・すすきの―北海道札幌市
第2章 弘前、クラスター騒動の真実―青森県弘前市
第3章 いわき、非英雄的起業家の奮闘―福島県いわき市
第4章 夜の庭としての武蔵新城―神奈川県川崎市
第5章 甲府という桃源郷―山梨県甲府市
第6章 小倉で戦争を想う―福岡県北九州市
第7章 雲伯、神々の国と鬼太郎のまち―鳥取県米子市・境港市、島根県松江市
第8章 別府の盛り場を支える「ちはら三代」―大分県別府市
第9章 浜松、「検証と反省」に思いを馴せて―静岡県浜松市
第10章 十勝のスナックと地域のつながり―北海道新得町・帯広市
第11章 「東京右半分」であふれる商売の熱量―東京都北区赤羽・荒川区西尾久
第12章 小さなオデュッセウスの帰還―東京都渋谷区・中央区銀座
終章 「夜の街」の憲法論

出版社・メーカーコメント

「コロナ下の自粛要請は憲法違反」と主張した唯一の法哲学者が、全国のスナックやバー、居酒屋を歩いて「水商売の魂」に触れる旅。

著者紹介

谷口 功一 (タニグチ コウイチ)  
1973年、大分県別府市生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京都立大学法学部教授。専門は法哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)