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依存症と人類 われわれはアルコール・薬物と共存できるのか

出版社名 みすず書房
出版年月 2023年4月
ISBNコード 978-4-622-09602-3
4-622-09602-1
税込価格 4,950円
頁数・縦 344,83P 20cm

商品内容

要旨

ある時代には酒や薬物に耽溺することは「堕落」と見なされ、ある時代には「下級階層の流行病」と見なされた。またある時代には、たとえ同じ薬物でも、特定のコミュニティで使用すれば「医療」だが、別のコミュニティに属する者が使用すれば「犯罪」と見なされた。アルコール依存症から回復した精神科医が本書に描くのは、依存症の歴史であり、その概念の歴史である。自身や患者の体験、過去の有名無名の人々のエピソードに加え、医学や科学のみならず、文学、宗教、哲学にまで踏み込んだ豊饒な歴史叙述によって、依存性薬物と人類の宿命的な繋がりが浮かび上がってくる。依存症は「病気」なのか?それとも、差別や疎外に苦しむ者に刻印されたスティグマなのか―?圧倒的な筆力で依存症をめぐるさまざまな神話を解体し、挫折と失敗に彩られた人類の依存症対策史をも詳らかにする。『ニューヨーカー』ベスト・ブックス・オブ・2022。

目次

第1部 名前を探して(出発点―「依存症」以前
エピデミック
意志の病)
第2部 不節制の時代(憑依
アメリカ初のオピオイド・エピデミック
ジャンキー)
第3部 現代の依存症のルーツ(近代アルコホリズム運動
よい薬物、悪い薬物)
第4部 試される依存症(リハビリテーション
ゼロ・トレランス
依存症を理解する)
結論 回復

著者紹介

フィッシャー,カール・エリック (フィッシャー,カールエリック)   Fisher,Carl Erik
依存症専門医、生命倫理学者。コロンビア大学臨床精神医学助教授、法律・倫理・精神医学部門勤務。瞑想とマインドフルネスを用いた統合的アプローチによる依存症治療を中心に、精神科の個人診療を行っている。コロンビア大学のサイエンス・ライティング集団「ニューライト」に所属し、「ニューヨーク・タイムズ」「ワシントン・ポスト」「ガーディアン」などに寄稿している
松本 俊彦 (マツモト トシヒコ)  
精神科医。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部長。1993年佐賀医科大学卒。横浜市立大学医学部附属病院精神科、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所司法精神医学研究部、同研究所自殺予防総合対策センターなどを経て、2015年より現職
小田嶋 由美子 (オダジマ ユミコ)  
翻訳家。明治大学大学院法学研究科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)