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俳句とあそぶ法

中公文庫 え22−2

出版社名 中央公論新社
出版年月 2023年4月
ISBNコード 978-4-12-207350-0
4-12-207350-2
税込価格 990円
頁数・縦 300P 16cm

商品内容

要旨

ちょっと俳句をかじっただけと称する著者が、愛好家の多くが陥る類型的発想というわなに気づき、それを誘発する俳句そのものに内在する何かに迫る。名作とされる先人の句に果敢に異を唱え、一方で初心者には「俳句は遊びである。だからこそ厳格なルールに従うべき」と説く。世にはびこるセオリーを覆し、皮肉とユーモアを交えて語る画期的俳句入門。

目次

俳句を、どうぞ
自然恐怖症候群
定型のいのち
よくぞ日本に―季語(一)
動不動―季語(二)
禁忌は禁忌―季語(三)
切れ字は宝
前書きの効用
つかずはなれず―挨拶句(一)
人の悼み方―挨拶句(二)〔ほか〕

出版社・メーカーコメント

俳句は遊びだ! 人生の杖となる遊びだ!――俳人・夏井いつき推薦!!「ちょっと俳句をかじっただけの素人」と自称する著者が、愛好家の多くが陥る類型的発想という「わな」に気づき、それを誘発する「俳句そのものに内在する何か」に迫る。名作とされる先人の句に果敢に異を唱え、専門俳人たちの常識も容赦なく断罪。一方、作り手となった初心者に対しては、「俳句は遊びである。遊びだからこそ厳格なルールに従うべきである」と掲げ、世にはびこるセオリーを覆し、皮肉やユーモアを交えて江國流俳句の楽しみ方を実践的に説いてゆく。 曰く――、『俳句は自然を詠むもの、俳句は写生だ』 藤・牡丹・菖蒲・芍薬のどれが先に咲きますか? これ分からない植物音痴の人は多い。俳句は自然を詠むもの。写生こそ俳句とは言うが、自然が詠み難ければ人事句から始めると入り易い。例えば雛祭、白酒、受験、卒業……。『5・7・5がルール』 字余り、字足らずの破調は原則として避けるべし。破調はホントにやむを得ない時に限る。破調にも限界がある。「分け入れば水音(山頭火)」「咳をしても一人(放哉)」こんなのは俳句じゃない。『ふりがなは、極力さける』 ルビは必要最小限度にとどめるべきである。ルビなしでは正しく読んでもらえない字句で、漢字を用いない限り意味が汲み取れなかったり、誤解を招いたりする場合だけ、よんどころなくルビを付ける。娘(こ)、亡父(ちち)、女(ひと)などは、絶対に使わないこと。『自分なりの句風の確立』 名句を、世間の評価にとらわれずに、好きな句、嫌いな句に分ける作業をする。そのうちに、自分の句風の確立に役立つ。 昭和の俳句ブームを牽引した画期的な俳句指南の書、待望の復刊!

著者紹介

江國 滋 (エクニ シゲル)  
1934年東京生まれ。演芸評論家、エッセイスト、俳人。慶應義塾大学法学部卒業。新潮社勤務を経て、独立。61年に『落語手帖』を刊行し、以後、随筆、紀行、評論の分野で活躍する。97年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)