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怪談の仕掛け

出版社名 青弓社
出版年月 2023年6月
ISBNコード 978-4-7872-9274-2
4-7872-9274-9
税込価格 2,200円
頁数・縦 257P 19cm

商品内容

要旨

怪談を、怖がらせたい語り手と怖がりたい聞き手の関係性のなかで生成する怪異をめぐる話として位置づける。悲話、笑い話、ネットロア、予言譚、実話など、様々な話を成立させる仕掛けと怪異的な要素の関係を読み解くことで、怪談のメカニズムを浮き彫りにする。

目次

序章 怪談とは何か
第1章 子育て幽霊の気持ち―悲話「夜泣きお梅さん」
第2章 お岩さんと愉快な仲間たち―笑い話としての「四谷怪談」と「皿屋敷」
第3章 逆立ちする狐狸狢―猥談「下の口の歯」など
第4章 人を溶かす草の話―落語『そば清』
第5章 優しい幽霊たちのいる墓場―鄭清文の童話「紅亀〓」
第6章 スマホサイズ化される怪談―ネットロア「きさらぎ駅」
第7章 流行神はコロナのなかに―予言譚「アマビエ」
第8章 怪異は、解釈されたがる―実話怪談集『新耳袋』

出版社・メーカーコメント

近年、怪談会や怪談イベントが人気を集め、怪談の動画コンテンツも盛んに配信されるようになっている。なぜ、今も昔も、恐怖を感じさせる怪談は人を引き付けるのか。そもそも、怪談を怪談たらしめているものは何なのか。怪談の基本を声の文化として捉え、怖がらせたい語り手と怖がりたい聞き手の関係性のなかで生成する怪異をめぐる話として怪談を位置づける。そして、悲話、笑い話、猥談、落語、童話、ネットロア、予言譚、実話など、様々な話を成立させる仕掛けと怪異的な要素の関係を読み解くことで、怪談のメカニズムを浮き彫りにする。話し手と聞き手の共犯関係や特定の感情を呼び起こさせる話の型・装置に着目して、「怪談とは何か」「怪談と恐怖の関係とは何か」を明らかにする。

著者紹介

伊藤 龍平 (イトウ リョウヘイ)  
1972年、北海道生まれ。國學院大學文学部教授。専攻は伝承文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)