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イラク水滸伝

出版社名 文藝春秋
出版年月 2023年7月
ISBNコード 978-4-16-391729-0
4-16-391729-2
税込価格 2,420円
頁数・縦 477P 図版12P 20cm

商品内容

文学賞情報

2024年 第34回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞

要旨

アフワール―そこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む、謎の巨大湿地帯。中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録―“現代最後のカオス”に挑んだ圧巻のノンフィクション大作!

目次

第1章 バグダード、カオスの洗礼
第2章 イラン国境の水滸伝
第3章 新世紀梁山泊チバーイシュ
第4章 イラク水滸伝六千年 脳内タイムマシンの旅
第5章 「エデンの園」の舟造り
第6章 呪われた水滸伝の旅
第7章 謎のマーシュアラブ布を追え!
第8章 古代より甦りし舟は行く

出版社・メーカーコメント

権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む謎の巨大湿地帯〈アフワール〉−−−そこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。中国四大奇書『水滸伝』は、悪政がはびこる宋代に町を追われた豪傑たちが湿地帯に集結し政府軍と戦う物語だが、世界史上には、このようなレジスタンス的な、あるいはアナーキー的な湿地帯がいくつも存在する。ベトナム戦争時のメコンデルタ、イタリアのベニス、ルーマニアのドナウデルタ……イラクの湿地帯はその中でも最古にして、“現代最後のカオス”だ。・謎の古代宗教を信奉する“絶対平和主義”のマンダ教徒たち・フセイン軍に激しく抵抗した「湿地の王」、コミュニストの戦い・水牛と共に生きる被差別民マアダンの「持続可能な」環境保全の叡智・妻が二人いる訳とは?衝撃の民族誌的奇習「ゲッサ・ブ・ゲッサ」・“くさや汁”のようなアフワールのソウルフード「マスムータ」 ・イスラム文化を逸脱した自由奔放なマーシュアラブ布をめぐる謎……etc想像をはるかに超えた“混沌と迷走”の旅が、今ここに始まる−−中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録が凝縮された圧巻のノンフィクション大作、ついに誕生!

著者紹介

高野 秀行 (タカノ ヒデユキ)  
ノンフィクション作家。1966年東京都生まれ。ポリシーは「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」。『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)でデビュー。『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で酒飲み書店員大賞、『謎の独立国家ソマリランド』(集英社文庫)で講談社ノンフィクション賞等を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)