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黒い直方体と交錯するパッサージュ 大阪中之島美術館建築ドキュメント 学芸員・行政担当・コンペ審査員・構造家・建築家の証言

出版社名 青幻舎
出版年月 2023年8月
ISBNコード 978-4-86152-887-3
4-86152-887-9
税込価格 3,080円
頁数・縦 223P 23cm

商品内容

要旨

美術館構想から40年という異例の期間を経て、関西最大級の美術館として2022年2月に開館を果たした大阪中之島美術館。行政側は長期にわたる紆余曲折の経験から、徹底した公平性と透明性を貫き、設計者の選定をプロポーザルではなくコンペとして開催。そして「過去の実績よりも未来の可能性に賭けて」選ばれたのが、当時スタッフ5名という遠藤の事務所だった。本書は、業界をざわつかせた「異例の選出」が「異彩を放つ黒い箱」を生んだ軌跡を、発注側・使う側・つくる側という違う立場からの証言でつづる、公共建築と建築家の新しい在り方を示唆するドキュメントである。

目次

黒いシンプルな直方体の中に複雑な立体パッサージュを計画すること、そこに現代性を表現したのです(遠藤克彦)
徹底した公平性と透明性を貫いて完成した美術館(菅谷富夫)
プロポーザルではなくコンペにした理由、過去の実績よりも未来の可能性に賭けたかった(洞正寛)
つかいにくい美術館にはさせない。デザインと機能の拮抗、審査委員長として(山梨俊夫)
大阪のことをよく知らないことがいい方向に作用した遠藤案(嘉名光市)
きびしい参加条件を外すことが、ぼくが審査員を受ける条件でした(竹山聖)
建築家のコンセプトをかたちにする慎重かつ必死な構造家の仕事(佐藤淳)
要項が求めていることを、いかにかたちにするか、という戦略(大井鉄也)
建物で街が変わることを実感できた貴重な体験(外〓晃洋)
建築が発揮できるであろう性質は、アリストテレスの時代から変わっていないこういう基本的な建築のもっている性質をうまく活かすことが重要なのです(原広司)

著者紹介

遠藤 克彦 (エンドウ カツヒコ)  
建築家・遠藤克彦建築研究所代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)