• 本

ヨルノヒカリ

出版社名 中央公論新社
出版年月 2023年9月
ISBNコード 978-4-12-005690-1
4-12-005690-2
税込価格 1,980円
頁数・縦 314P 20cm

NetGalley 会員レビュー

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

テンプレのように自己中な母親の行動と酷いネグレクト。幼い光が、母親の帰りを待ち母からの愛を得ようと頑張る姿が切なくて、しばしば登場する控え目な見せかけの『“普通”に幸せになる』という考え方がどれ程困難であることなのか、苦しさを目の当たりにして、“自分なり”の幸せの在り方を見つけて手に入れることが出来たらいい、と願わずにいられなかった。2人の関係は、恋ではないかもしれないけど間違いなく愛だ!、と感じるほど信頼感が溢れていて、人を大切に想う気持ちって難しいけど、とても幸せなことだから、2人の穏やかな時間がいつまでも続くことを祈りたくなる終わり方に、ふんわり柔らかな心のまま読了出来ました。

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

過去にできた心の傷を、そっと抱きしめて、癒やしてくれるような救済の物語。一文一文から、瑞々しい優しさが溢れていて、すーっと胸に溶けていくようでした。そして、ページをめくる指先から、「恋」や「愛」という言葉ではくくれない、大切な人を想う気持ちが、じんわりと伝わってくるようでした。言葉や形にできなくても、そばにいるだけでお互いが心地良いと感じられる、二人の関係性が愛おしい。読み終えた後、日だまりのような、やわらかな光に包まれました。

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

読み終わった後、思わず抱きしめたくなる作品だった。言葉の全てが自分の胸に突き刺さる。読みながら木綿子やひかりの言葉に頷いている自分がいる。女性である木綿子と男性のひかりが一緒に住むということに対して、外野(修ちゃんや真衣ちゃん)がいろいろ言ってくる場面があるけれど、それは彼らの『常識』であってひかりと木綿子の『当たり前』ではない。二人の関係はラベリングできるものではないのだ。ひかりと木綿子だけの関係性でずっと同じ屋根の下、幸せに暮らして欲しい。

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

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商品内容

要旨

「ここで、一緒に暮らしつづけよう」いとや手芸用品店を営む木綿子は、35歳になった今も恋人がいたことがない。台風の日に従業員募集の張り紙を見て、住み込みで働くことになった28歳の光は、母親が家を出て以来“普通の生活”をしたことがない。そんな男女2人がひとつ屋根の下で暮らし始めたから、周囲の人たちは当然付き合っていると思うが…。不器用な大人たちの“ままならなさ”を救う、ちいさな勇気と希望の物語。

出版社・メーカーコメント

いとや手芸用品店を営む木綿子は、35歳になった今も恋人がいたことがない。台風の日に従業員募集の張り紙を見て、住み込みで働くことになった28歳の光は、母親が家を出て以来“普通の生活”をしたことがない。そんな男女2人がひとつ屋根の下で暮らし始めたから、周囲の人たちは当然付き合っていると思うが……。不器用な大人たちの“ままならなさ”を救う、ちいさな勇気と希望の物語。

著者紹介

畑野 智美 (ハタノ トモミ)  
1979年東京都生まれ。2010年「国道沿いのファミレス」で第23回小説すばる新人賞を受賞。2013年に『海の見える街』で、14年に『南部芸能事務所』で吉川英治文学新人賞の候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)