るん〈笑〉
集英社文庫 と34−1
出版社名 | 集英社 |
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出版年月 | 2023年9月 |
ISBNコード |
978-4-08-744571-8
(4-08-744571-2) |
税込価格 | 693円 |
頁数・縦 | 271P 16cm |
商品内容
要旨 |
舞台は、占いやまじないなどのスピリチュアルが科学と逆転した日本。「免疫力の気持ちを、なぜ考えてあげない」解熱剤を飲もうとして妻に叱責された夫は、高熱にうなされながら結婚式場で働き続けるが…(「三十八度通り」)。重篤な病で末期状態の真弓の母は病院を出て、自宅で千羽鶴を開くなど様々な治療を受けることに(「千羽びらき」)。日本SF大賞を二度受賞した奇才が放つ衝撃の連作小説。 |
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出版社・メーカーコメント
スピリチュアルと科学が逆転した、架空の日本で繰り広げられる不条理劇。平熱は38度で、病気の原因はクスリを飲むこと−−お祈りやおまじないですべての病気を治す世界を描いたディストピア小説。『皆勤の徒』『宿借りの星』で日本SF大賞を2度受賞した著者の新境地!結婚式場に勤める土屋は、38度の熱が続いていた。解熱剤を飲もうとすると妻の真弓に「免疫力の気持ち、なぜ考えてあげない」と責められる。……「三十八度通り」真弓の母は、全身が末期の「蟠り」で病院のベッドに横になっていた。すぐに退院させられ、今後はその病気を「るん(笑)」と呼ぶ治療法を始めることになる。……「千羽びらき」真弓の甥の真は、近くの山が昔の地図にはないと知り、登りはじめた。山頂付近で、かわいい新生物を発見する。それは、いまは存在しないネコかもしれなかった。……「猫の舌と宇宙耳」【著者略歴】酉島伝法(とりしま・でんぽう)1970年、大阪府生まれ。作家、イラストレーター。2011年、「皆勤の徒」で第2回創元SF短編賞を受賞し、13年刊行の作品集『皆勤の徒』で第34回日本SF大賞を受賞。19年刊行の第一長編『宿借りの星』で第40回日本SF大賞を受賞。他の著書に『オクトローグ 酉島伝法作品集成』がある。