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穀物の世界史 小麦をめぐる大国の興亡

出版社名 日経BP日本経済新聞出版
出版年月 2023年10月
ISBNコード 978-4-296-11535-8
4-296-11535-9
税込価格 3,630円
頁数・縦 430P 20cm

商品内容

要旨

歴史に登場した数々の帝国の興亡を理解するためには、穀物が通った道を、川沿い、港と港のあいだ、そして海を越えてたどる必要がある。歴史家のスコット・レイノルズ・ネルソンは本書において、こうした穀物の道を支配するための争いが、世界のパワーバランスにどのような変化をもたらしたかを明らかにしている。19世紀初頭より帝政ロシアは、ウクライナの黒海に面したオデーサの活況を呈する港を通じて、ヨーロッパの大部分に食糧を供給していた。しかし、アメリカ南北戦争の後、大量のアメリカ産小麦が大西洋を渡ってヨーロッパに押し寄せるようになり、食糧価格は急落した。安価な外国産穀物は、ドイツとイタリアの台頭、ハプスブルク家とオスマン帝国の衰退、そしてヨーロッパ各国による勢力圏の争奪戦に拍車をかけ、第1次世界大戦とロシア革命が勃発する決定的な要因となった。国家の盛衰に説得力ある新たな解釈を加えた本書は、大国同士が鎬を削るなかにあって、穀物の支配が比類のない力を示してきたことを物語っている。

目次

第1章 黒い道―紀元前1万年〜紀元前800年
第2章 コンスタンティノープルの門―紀元前800年〜紀元1758年
第3章 重農主義的な膨張―1760年〜1844年
第4章 ジャガイモ疫病菌と自由貿易の誕生―1845年〜1852年
第5章 資本主義と奴隷制―1853年〜1863年
第6章 アメリカの穀物神―1861年〜1865年
第7章 爆発音と大変化―1866年
第8章 何をなすべきか―1866年〜1871年
第9章 穀物の大危機―1873年〜1883年
第10章 ヨーロッパの穀物大国―1815年〜1887年
第11章 「ロシアはヨーロッパの恥」―1882年〜1909年
第12章 オリエント急行、行動軍―1910年〜1914年
第13章 パンをめぐる世界戦争―1914年〜1917年
第14章 権力の源泉としての穀物―1916年〜1924年

著者紹介

ネルソン,スコット・レイノルズ (ネルソン,スコットレイノルズ)   Nelson,Scott Reynolds
ジョージア大学歴史学部教授、ジョージア大学アスレティック・アソシエーション歴史学教授。ニューベリー図書館(シカゴ)やハーバード大学の研究員などを経て現職。2019〜2020年グッゲンハイム・フェロー。マール・カーティ社会史賞(Merle Curti Social History Award)、全米芸術表現賞(National Award for Arts Writing)を受賞したSteel Drivin’ Man:John Henry,the Untold Story of an American Legendなど5点の著書がある。米国ジョージア州アセンズ在住
山岡 由美 (ヤマオカ ユミ)  
翻訳家。出版社勤務を経て翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)