君が手にするはずだった黄金について
出版社名 | 新潮社 |
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出版年月 | 2023年10月 |
ISBNコード |
978-4-10-355311-3
(4-10-355311-1) |
税込価格 | 1,760円 |
頁数・縦 | 243P 20cm |
NetGalley 会員レビュー レビュアー おすすめ度 小説家の「小川」を主人公とした連作短編集。日常の出来事と思考に知的なユーモアとペーソスがまぶされ、どの話もとても面白い! とくに、投資詐欺で炎上した同級生とのささやかな交流を描いた表題作は、何かになりたかった男のひりひりした焦りともがきが我が事のように感じられて、印象的でした。私小説、またはエッセイのように読めるけれど、各話で「現実を元に嘘をつく」行為と「小説を書く」行為のつながりが語られるので、読者は書かれていることが現実なのか創作なのかわからなくなり翻弄される。その奥行きが小説家小説としてとても魅力的で、やはりすごい作家だなと思わされました。 書店関係者 おすすめ度 読後はこれはどこまでが実体験でどこからが虚構なのか?そもそもこれは「小川哲」本人なのか、それとも作られた「小川哲」なのか?…なぁーんて事に気を取られるのは野暮だなと思いました。この曖昧さが楽しいです。嘘に翻弄され、そこに隠された真理に触れて心を揺さぶられました。大変面白かったです! レビュアー おすすめ度 小説?それともエッセイ?と半信半疑のうちに読み進めたが、<あなたの人生を円グラフで表現してください>の一文から始まる一番目の短編「プロローグ」から一気に惹きつけられた。小川哲さんの著書を読んだのは初めてだったが、全編を通して“僕”の視点にはっとさせられた。小説家でなくとも、書くこと、読むことに関心がある人には共感する点が多々あるだろう。詐欺師も登場するなどエンターティナー性もあり、想像力がフル回転で止まらない!!! 上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ) NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。 |
書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件
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君が手にするはずだった黄金について
- おすすめ度
- ほんのいえ宮脇書店越谷店 (埼玉県越谷市)
こんな小説あったんだ!と思わずうなってしまう。小説家の術中にみごとにはまってしまう奇妙な読後感。本を読みながらにして、思いもかけない荒技をかけられた気分を味わった。作者自らを主人公にして、己れをさらしているようでもあり、そうでもないようでもあり。連作短編のどれもが練られている。小説家小川哲の書くものはおもしろいぞ!目を離すなよ!との小説家自らの宣言を受けた。
(2023年12月24日)
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商品内容
要旨 |
片桐は高校の同級生。負けず嫌いで口だけ達者、東大に行って起業すると豪語していたが、どこか地方の私大で怪しい情報商材を売りつけていたらしい。それが今や80億円を運用して六本木のタワマンに暮らす有名投資家。ある日、片桐の有料ブログはとつぜん炎上しはじめ、そんな中で僕は寿司屋に誘われる…。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する6つの連作短篇集。 |
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出版社・メーカーコメント
才能に焦がれる作家が、自身を主人公に描くのは「承認欲求のなれの果て」。認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!