人類の深奥に秘められた記憶
出版社名 | 集英社 |
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出版年月 | 2023年10月 |
ISBNコード |
978-4-08-773525-3
(4-08-773525-7) |
税込価格 | 3,630円 |
頁数・縦 | 476P 20cm |
商品内容
文学賞情報 |
2024年
第4回
みんなのつぶやき文学賞受賞 |
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要旨 |
1938年に一冊の本でパリの文壇の話題をさらい、剽窃のかどで消えてしまったセネガル人作家T・C・エリマン。彼は一体何者だったのか?現代のくすぶる若手小説家ジェガーヌがその軌跡を追い求めるうちに、エリマンを巡る物語は語り手を変え、時を超え、パリ、アムステルダム、ブエノスアイレス、ダカール、セネガルの名もなき村へと舞台を変貌させていく…。文学へのあくなき欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説。 |
目次 |
第1の書(「母グモ」の巣 |
出版社・メーカーコメント
【ゴンクール賞受賞作】なぜ人間は、作家は、“書く”のか。根源ともいえる欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説!セネガル出身、パリに暮らす駆け出しの作家ジェガーヌには、気になる同郷の作家がいた。1938年、デビュー作『人でなしの迷宮』でセンセーションを巻き起こし、「黒いランボー」とまで呼ばれた作家T・C・エリマン。しかしその直後、作品は回収騒ぎとなり、版元の出版社も廃業、ほぼ忘れ去られた存在となっていた。そんなある日『人でなしの迷宮』を奇跡的に手に入れ、内容に感銘を受けたジェガーヌは、エリマン自身について調べはじめる。様々な人の口から導き出されるエリマンの姿とは。時代の潮流に翻弄される黒人作家の懊悩、そして作家にとって “書く”という宿命は一体何なのか。フランスで60万部を突破、40か国で版権が取得された、2021年ゴンクール賞受賞の傑作。[著者プロフィール]モアメド・ムブガル・サールMohamed Mbougar Sarr1990年セネガルのダカールに生まれ、パリの社会科学高等研究院(EHESS)で学ぶ。現在はフランスのボーヴェ在住。2014年に中篇小説『La Cale(直訳船倉)』でステファヌ・エセル賞を受賞し、2015年『Terre ceinte(直訳包囲された土地)』で長篇デビュー、アマドゥ・クルマ文学賞とメティス小説大賞を受賞した。2017年『Silence du choeur(直訳コーラスの沈黙)』でサン=マロ市主催の世界文学賞を受賞。2021年、4作目にあたる本書はフランスの4大文学賞(ゴンクール賞、ルノードー賞、フェミナ賞、メディシス賞)すべてにノミネートされ、ゴンクール賞を受賞した。邦訳作品に『純粋な人間たち』(平野暁人訳、英治出版、2022年。原書は2018年)がある。