• 本

まだ終わらないで、文化祭

出版社名 双葉社
出版年月 2023年11月
ISBNコード 978-4-575-24696-4
4-575-24696-4
税込価格 1,760円
頁数・縦 171P 19cm

NetGalley 会員レビュー

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

文化祭は本当に祭りだった。数少ない男子校に在籍していた私なら、なおさらだった。淡き夢ということに敢えて目をつぶり、繋がりを期待して。それだけに、登場人物たちの秘めた心情、動機に共感して読んでいき、見事に絡め取られていた。そして突如、あることに気づいて唖然とした。同じ情報から真逆の真実が現れるとは。でも、驚きはまだ続く。「トラブル」の裏でのどんでん返しが続く。願いに潜んだ本音の発露。更にその先に待つものに、唖然とした。時間としてはわすが10分ほどか。しかし、この10分がこれだけの密度になるとは。「終わらないで、文化祭」。そう、文化祭が終わらなければよかったのに。

図書館関係者

おすすめ度おすすめ度★5

高校の文化祭の二日間を描く群像劇。それぞれの場面における登場人物の目線で、出来事や思いが描かれていきます。それが、懐かしいというか、ひりつくようなというか、甘酸っぱいというか高校生のころって、そうゆうところあるよな…とかそういう子、いたよね、とかそれぞれの気持ちが理解できてついでに、引き締めようとする大人の立場も理解できて多分、大学生よりももっと高校時代から離れた、社会人以上の世代に刺さる作品だと思います。ところどころで伏線はあって、なるほど、こうゆうことだったのか…と思っていたら、最後にまた一ひねり。楽しめました。

図書館関係者

おすすめ度おすすめ度★5

読み始めて、あれ?と思う。そして、この作品ってそうなんだ!と思う。作品の舞台は高校の文化祭。そのキーワードだけで、「青春」って感じがします。事故がおきて、世間を騒がせた2年前の文化祭の詳細が、少しづつわかってきたり、登場人物それぞれが、文化祭というイベントの中で、何を思い、どう行動するのかが気になったりして、一気に読んでしまいました。本当に高校生らしいラストでしたが、一つだけ気がかりもあったりして。自分が彼の気持ちを読み違えていたのか、次の作品に繋がる何かなのか、せっかくなので、もう少し読みたい。読者も思ってしまうかも。まだ終わらないで、って。

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。
・サイト上には、出版社が発売前の本のゲラやイチオシ既刊本を掲載しています。
・読んでみたい作品にリクエストを送り、出版社に承認されること、読むことができます。
・読んだ作品にレビューやコメントを書くことで、出版社へ直接メッセージを届けることができます。
詳しくはこちら ※e-honとは別サイトに移動します

商品内容

要旨

生徒によるサプライズが慣例の文化祭で宣戦布告のポスターが。祭りの裏では高校生の思惑が交錯していて…。小説推理新人賞受賞第一作!謎が散りばめられた青春ミステリー群像劇。

出版社・メーカーコメント

毎年、生徒の誰かがサプライズを起こすことが慣例となっている八津丘高校の文化祭。2年前、ゲリラライブで人が殺到し教師がケガを負ってしまった。その様子はSNSにアップされて炎上、ニュースにも取り上げられ大問題に。しかし、今年の文化祭初日。まるで宣戦布告をするかのように2年前の文化祭ポスターが学内掲示板に貼られている。文化祭実行委員の市ヶ谷のぞみたちは生徒達に話を聞きにまわるが……。2020年に小説推理新人賞を受賞しデビューした著者による注目の第二作!

著者紹介

藤 つかさ (フジ ツカサ)  
1992年兵庫県生まれ。2020年に「見えない意図」(単行本収録時に「その意図は見えなくて」に改題)で第42回小説推理新人賞を受賞。受賞作を含む短編集『その意図は見えなくて』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)