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エクリチュールへ 鈴木貞美の文芸論 2 1

明治期「言文一致」神話解体三遊亭円朝考

知の新書 J09 Japan/literature L04

出版社名 文化科学高等研究院出版局
出版年月 2023年12月
ISBNコード 978-4-924671-80-5
4-924671-80-0
税込価格 1,430円
頁数・縦 191P 18cm

商品内容

要旨

言文一致に関する通念の誤謬を正す!明治期にそれは始まったのではなく、江戸期に、いやそれ以前から話し言葉表現はなされていた。それでは、明治期には何が実際になされたのか、二葉亭四迷は何をなし、また円朝の速記は何をなしていたのか。国文学の通念をくつがえす学術考証。文芸史において、中国、西欧で起きていたことに対比させながら、言語表現の変化を明解に説く画期的な書。

目次

序章 明治期「言文一致」神話を解体=再編する
第1章 明治期「言文一致」再考―二葉亭四迷「余が言文一致の由来」を読みなおす(なぜ、明治期「言文一致」が問題なのか?
山本正秀による「言文一致」論の根本的誤謬
今日の指標的見解の検討
「言文一致」の意味
前近代の口語体
二葉亭四迷「余が言文一致の由来」を読みなおす
「普通文」の平明化と「言文一致」
文体改革は「立体的まだら状」に展開した
子規の「叙景」、独歩の「情景」
結語)
第2章 三遊亭円朝考(円朝の再評価をめぐって
円朝の口演速記と小説の「言文一致」運動
円朝口演の写実性
円朝の位置)

著者紹介

鈴木 貞美 (スズキ サダミ)  
1947年生まれ。東京大学文学部仏文科卒。国際日本文化研究センター及び総合研究大学院大学名誉教授。1988年『新青年』読本(『新青年』研究会編)で大衆文学研究賞。パリ社会科学高等研究院客員教授、中国・清華大学人文科学院特任教授、吉林大学外国文学研究院特座教授を歴任。早くから日本文芸史の再編と取り組み、また近現代出版史研究に携わる。学際的な視野に立つ文理に跨る各種の国際的共同研究を開発、従事。日本の「文学」をはじめ、「歴史」「生命」「自然」等、基礎概念の編制史研究を開拓し、深化に努めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)