• 本

オオルリ流星群

角川文庫 い83−3

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2024年6月
ISBNコード 978-4-04-114881-5
4-04-114881-2
税込価格 880円
頁数・縦 350P 15cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 40代それぞれの青春

     高校三年生の夏に、空き缶を集めてオオルリのタペストリーを製作した面々。すべてが一体化したような高揚があった。その後、6人各自は人生経験を積むことでそれぞれの人生を歩む。地元の商店街で家業の薬局を継いだ男、理科の先生になった女の子、突如退職をして司法試験にチャレンジを始めた者、国立天文台を退職になった者、引きこもりになった者、謎の死を遂げた者。そして、その仲間たちが40歳を越えて、今度は天文台を建設する。オオルリに導かれたように建設場所も見つかり、当時の仲間が集結して、天文台を作り上げていく。高校生の頃に味わった感動を大人になってからも経験できるのは貴重だ。こんなワクワクできる仲間がいるのが羨ましい。いい大人が本気になって!という人もいるだろうが、ワクワクする経験は幾つになってもいいものだと思う。

    (2024年9月16日)

商品内容

要旨

人生の折り返し地点を過ぎ、将来に漠然と不安を抱える久志は、天文学者になった同級生・彗子の帰郷の知らせを聞く。手作りで天文台を建てるという彼女の計画に、高校3年の夏、ともに巨大タペストリーを作ったメンバーが集まった。ここにいるはずだったあと1人を除いて―。仲間が抱えていた切ない秘密を知ったとき、止まっていた青春が再び動き出す。喪失の痛みとともに明日への一歩を踏み出す、あたたかな再生の物語。

出版社・メーカーコメント

太陽から六十億キロ−−。流星のふるさとを観測するために、高校以来再び集まった5人の迷える大人たち。科学と人生のロマンが交差する、感動の物語。

著者紹介

伊与原 新 (イヨハラ シン)  
1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て2010年『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊行の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、21年、第18回本屋大賞で6位に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)