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人種の母胎 性と植民地問題からみるフランスにおけるナシオンの系譜

出版社名 人文書院
出版年月 2024年5月
ISBNコード 978-4-409-04127-7
4-409-04127-4
税込価格 5,500円
頁数・縦 409P 20cm

商品内容

要旨

解きがたく結びついた性と人種。17・18世紀のフランスでは、女性はか弱く虚弱な身体を持つゆえに劣っているとされ、その不健康さは男女の不平等を正当化するものであった。この性的差異の概念化が、いかにして植民地における人種化の理論的な鋳型となり、支配を継続させる根本原理へと変貌をしたのか、その歴史を鋭く抉り出す。

目次

1 女性たちの病気(気質
病気に性別はあるのか
突然変異の身体―娼婦、アフリカ人女性、女性同性愛者
異常興奮と罰)
2 国民の生成(階級闘争という悪気
“母”の誕生
産科学知の歴史的認識論
母乳、血、大地)
3 人種の発明(植民地に試される“国民”
人種主義の系譜学
「ニグロの病気」)

著者紹介

ドルラン,エルザ (ドルラン,エルザ)   Dorlin,Elsa
1974年生。哲学者。2004年ソルボンヌ大学(旧・パリ第四大学)で博士号を取得後、パンテオン・ソルボンヌ大学哲学科で准教授として哲学史および科学史を講じたのち、パリ第八大学政治学科教授を経て、2021年からトゥールーズ・ジャン・ジョレス大学哲学科教授。フランスへのブラック・フェミニズムの紹介者としても知られ、2000年中葉以降のフランスにおける新たなフェミニズムの潮流をフランス科学認識論の立場から思想的に支える最も重要な哲学者のひとりである。本書の他、フランツ・ファノン賞受賞の『自己防衛―暴力の哲学』(2017年)等がある
ファヨル入江 容子 (ファヨルイリエ ヨウコ)  
1978年生。甲南大学文学部人間科学科専任講師。専門は、現代フランス哲学、フェミニズム・ジェンダー思想史。2010年フランス国立レンヌ第一大学哲学科Master2課程修了(Master2・哲学)。2018年一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程修了(博士・学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)