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辺境のラッパーたち 立ち上がる「声の民族誌」

出版社名 青土社
出版年月 2024年7月
ISBNコード 978-4-7917-7654-2
4-7917-7654-2
税込価格 3,520円
頁数・縦 538,3P 19cm

商品内容

要旨

ラッパーのことばに耳をすませば、世界のリアルが見えてくる。戦火の絶えないガザやウクライナで、弾圧が続くチベットやイランで、格差にあえぐモンゴルやインドで、海の端の日本で―。アメリカで生まれたヒップホップ文化、なかでもラップミュージックは世界に広がり、「辺境」に生きる者たちは声なき声をリリックに託す。現代社会の歪みを鮮やかに映し出す、世界各地のラッパーたちの声がここに。ダースレイダー、ハンガー(GAGLE)のインタビューを収録。

目次

第1部 非常事態下のラッパーたち(パレスチナ パレスチナ・ガザに響くラップ
ウクライナ 抵抗歌としてのウクライナ民謡とヒップホップ―マイダン革命から対ロシア戦争へ
ロシア 「亡命」するラッパーたち―二〇二〇年代の「文学裁判」とウクライナ戦争
チベット 土地・記憶言語を行き来するラップ―チベッタン・ディアスポラのヒップホップ)
第2部 言論統制下のラッパーたち(中国 模索される「中国の特色あるヒップホップ」
イラン内在的社会批判のアポリア―イラン・ペルシア語ラップの軌跡
キューバ キューバのヒップホップ―アフロキューバ・ラップからトランスボーダー・ラップへ
Interlude Back in the 1997 to 99―極私的ヒップホップ・メモワール)
第3部 主張するマイノリティ(タタールスタン 祖なるビートに呼応せよ!―グローバル化時代のタタール・ヒップホップとしたたかな抵抗
サハ 極北の国サハの口琴とラップ
アラスカ 抵抗とケア―アラスカのネイティブ・ラッパーAKレベル)
第4部 伝統文化をラップの武器に(ポーランド 先駆者ラッパーと振り返るポーランド・ヒップホップ
モンゴル 共起するナショナリズムと社会批判―モンゴル・ラッパーたちの二重意識
インド 成り上がり・フロム・ガリー―How To Be BIG in India
Interlude 「外」から「内」へ―町と、日本と出会いなおす旅)
第5部 混淆する文化の中で(インドネシア リッチ・ブライアンを超えろ
ブラジル 辺境どころかヒップホップ超大国のブラジル
プエルトリコ 抵抗と絡み合うルーツ―「最古の植民地」プエルトリコ)

著者紹介

島村 一平 (シマムラ イッペイ)  
国立民族学博物館人類文明誌研究部教授。文化人類学・モンゴル研究専攻。博士(文学)。早稲田大学法学部卒業後、テレビ番組制作会社に就職。取材で訪れたモンゴルに魅せられ制作会社を退社、モンゴルへ留学する。モンゴル国立大学大学院修士課程修了(民族学専攻)。日本に帰国後、総合研究大学院大学博士後期課程に入学。同大学院を単位取得退学後、国立民族学博物館講師(研究機関研究員)、滋賀県立大学人間文化学部准教授等を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)