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うつを生きる 精神科医と患者の対話

文春新書 1463

出版社名 文藝春秋
出版年月 2024年7月
ISBNコード 978-4-16-661463-9
4-16-661463-0
税込価格 1,078円
頁数・縦 287P 18cm

商品内容

要旨

アベノミクスのブレーンとして知られる経済学者の浜田宏一氏。その活躍の裏側で長らく躁うつ病に苦しんできた。さらに回復の途上、実の息子を自死で亡くす。人生とは何か。ともにアメリカで活躍する小児精神科医の内田舞氏を聞き手に波乱に満ちた半生を語る。

目次

第1章 心の病を語る―アメリカと日本の狭間で
第2章 希死念慮を語る
第3章 入院生活を語る―アメリカのもう一つの顔
第4章 躁うつ病と治療について
第5章 子どもを喪うということ―Crying for Kotaro
第6章 回復への道
第7章 日本とアメリカ―人生という旅路

出版社・メーカーコメント

アベノミクスの提唱者であり、国際金融論・ゲーム理論で世界的な業績のある経済学者・浜田宏一氏。社会的成功の裏で、長らく躁うつ病に苦しんできた。さらに病からの回復の途上、実の息子をも同じうつ病による自死でなくしている。病が決定的となったのはアメリカのイェール大学に教授として招聘され、家族でアメリカに移住してしばらくしてのことだった。自身に声がかかったのは当時の日本経済の隆盛のためではなかったか、との思いに苛まれる。優秀な博士課程の学生たちを前に教えることの恐怖が襲う。研究論文も書けなくなる。何のためにアメリカに来たのか? 引き留めてくれた師や友人たちの思いに背いてはいないか? 次第に人付き合いも避け、「世界から隠れたい」と思うようになる。そこからのイェール大学精神病院への入院。妻との離婚。そして大きな転機となったのが経済理論研究から経済政策への転換だった。ともすれば重箱の隅をつつくような高度な専門知からハンドリングの難しい、しかしやりがいのある国民経済政策への関与。「科学というよりも技法がアートに近い経済政策と精神医学には似たところがある」。浜田氏の日本での主治医を務めた精神科医の母を持ち、イェール大学で研修医時代を送ったハーバード大学准教授で小児精神科医・脳科学者の内田舞氏を聞き手に、躁うつ病を生きてきた半生を語る。うつ病になると知的能力は下がるのか?うつ病を引き起こすのは遺伝的要因か環境要因か?うつ状態と躁状態のメカニズムの違いとは?アメリカと日本の精神医学、メンタルヘルスへの向き合い方の違いとは?そして経済政策と精神医学の類似点とは?ひとりの個人史を通じて、うつ時代を生きる処方箋、社会への提言など示唆に満ちた対談。

著者紹介

内田 舞 (ウチダ マイ)  
小児精神科医、ハーバード大学医学部准教授、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長、3児の母。2007年北海道大学医学部卒、2011年イェール大学精神科研修修了、2013年ハーバード大学・マサチューセッツ総合病院小児精神科研修修了。日本の医学部卒業者として史上最年少の米国臨床医
浜田 宏一 (ハマダ コウイチ)  
1936年生まれ。元内閣官房参与、イェール大学タンテックス名誉教授、東京大学名誉教授。専攻は国際金融論、ゲーム理論。アベノミクスのブレーンとして知られる。主な著作に『経済成長と国際資本移動』(日経・経済図書文化賞)『金融政策と銀行行動』(岩田一政との共著、エコノミスト賞、ともに東洋経済新報社)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)