• 本

動都 移動し続ける首都

出版社名 平凡社
出版年月 2024年8月
ISBNコード 978-4-582-82494-0
4-582-82494-3
税込価格 3,960円
頁数・縦 238P 21cm

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要旨

「東京一極集中」の問題は、過去40年近くにわたり、その解消に向けて議論が重ねられてきた。「首都機能移転」もしばしば俎上に上がり、2016年には一部機関の首都圏外への移転が決まり、文化庁の京都府への移転が行われた。そんな中、驚くべき構想が世界的建築家を中心に提案されている。「動都」である。本書では、現国会議事堂の耐震補強問題をきっかけに発案され、研究、議論されてきた「仮設首都機能移転構想(動都)」について、その中身とともに、前提となる問題点、利点や可能性、ケーススタディなどを幅広く述べている。動都とは、一度だけ東京から他の都市に首都機能を移転するのではなく、数年おきに移転を繰り返す、すなわち「首都が移動していく」というアイデア。日本中の都市が、仮設の国会議事堂と関係省庁の設置をめぐり誘致合戦を繰り広げる、というものだ。編著者の坂茂氏は建築家。1985年坂茂建築設計を設立、東京、パリ、ニューヨークに事務所を構える。芝浦工業大学特別招聘教授。2024年9月「高松宮殿下記念世界文化賞」受賞。著者の光多長温氏は公益財団法人都市化研究公室理事長、熊本学園大学特命教授。三宅理一氏は東京理科大学客員教授、日本建築文化保存協会代表理事。建築史、遺産学、地域計画を専攻。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2024年10月9日]

商品内容

要旨

現国会議事堂の耐震補強問題の議論に端を発し、世界的建築家の坂茂が中心となり議論を重ねた「仮設首都機能移転構想」=動都とは。東京一極集中是正と地方創生を見据え、オリンピックさながらに、数年おきに日本中の都市が仮設の国会議事堂と関係省庁の誘致合戦を繰り広げるという驚くべき構想が明かされる。

目次

序―首都の時代は終わった
第1章 世界の首都の歴史(首都は動く
わが国における首都の成立―古代より東京都まで
わが国における首都転位―東京からの遷都)
第2章 何が問題なのか(東京一極集中
崩壊する霞が関官僚
遅れを取る脱炭素
競争力に劣る木質化
露呈したデジタル化の遅れ
災害に弱い東京)
第3章 新しい都市のかたち(カーボン・ニュートラル時代の森林循環と木質化
デジタル化によって変わる地域コミュニティ
そなえる都市―危機管理のための国の中枢機能の移転)
第4章 動都の提案(動都の具体的イメージ
動都の移転先とケーススタディ
グレート・リセットへ)
鼎談 動都から日本の未来を考える(坂茂+大西隆+林千晶 司会:三宅理一)

出版社・メーカーコメント

首都直下地震などに備えるため、今や現実的に首都機能移転を検討する必要がある。建築家・坂茂が主宰する研究会の最新成果を発表。

著者紹介

坂 茂 (バン シゲル)  
1957年東京生まれ。1977〜80年、南カリフォルニア建築大学(SCI‐Arc)在学。1984年クーパー・ユニオン建築学部(NY)を卒業。1982〜83年磯崎新アトリエに勤務。1985年坂茂建築設計を設立。東京、パリ、ニューヨークに事務所を構える。1995年から国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)コンサルタント、同時にNPO法人ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)を設立し、世界各地で災害支援活動を行う。2010年ハーバード大学GSD客員教授、コーネル大学客員教授。2001〜08年、15〜23年慶応義塾大学環境情報学部教授。現在New European Bauhaus委員、芝浦工業大学特別招聘教授
光多 長温 (ミツタ ナガハル)  
1943年生まれ。東京大学経済学部卒業。日本開発銀行(現、日本政策投資銀行)入行。東京工業大学社会工学系および東京大学工学部非常勤講師、財団法人日本経済研究所常務理事を経て、日本開発銀行名古屋支店長。株式会社富士通総研常務取締役兼研究理事、鳥取大学地域学部教授を歴任し、現在、公益財団法人都市化研究公室理事長、熊本学園大学特命教授
三宅 理一 (ミヤケ リイチ)  
1948年東京生まれ。東京大学工学部建築学科ならびにパリ・エコール・デ・ボザール卒業。工学博士。芝浦工業大学、リエージュ大学、慶應義塾大学、パリ国立工芸院にて教授職、藤女子大学にて副学長を歴任。現在、東京理科大学客員教授、日本建築文化保存協会代表理事。建築史、遺産学、地域計画を専攻。世界各地で都市計画・遺産保護の仕事を進める一方、東南アジアと日本を結ぶ「木質フォーラム」、シルクロード圏の都市発展と保存を考える「International Policy Forum for Urban Growth and Conservation」を主導。瀋陽市ユネスコ世界遺産登録の業績に対して藩陽市栄誉市民、日仏学術交流の業績に対してフランス政府より学術教育功労勲章(オフィシエ等級)を授かる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)