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基礎研究者 真理を探究する生き方

角川新書 K−465

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2024年9月
ISBNコード 978-4-04-082506-9
4-04-082506-3
税込価格 1,056円
頁数・縦 261P 18cm

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要旨

「基礎研究」とは「真理の探究」や「基本原理の解明」「新たな知の発見、創出や蓄積」などを目指す研究活動をいう。すぐに「役に立つ」ものではないことから、重要性が認識されづらい側面もある。では、基礎研究に取り組む学者たちは、日々何を考え、どんな思いを持って研究に励んでいるのだろうか。本書では、「オートファジーの仕組みの解明」によって2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏と、京都大学再生医科学研究所教授、日本細胞生物学会会長などを歴任した永田和宏氏とが、基礎研究とは何か、なぜ基礎研究が必要なのか等について対話するとともに、各々の考えをまとめている。永田氏によれば、基礎研究においては、流行ではなく自分たちが「おもしろい」と思うテーマを追うべきであるという。また大隅氏は、「何の役に立つのか」という視点から科学を見るのではなく、未知の解明を純粋に楽しむ社会であるべきだと述べる。著者の大隅良典氏は東京工業大学栄誉教授、同大学科学技術創成研究院細胞制御工学研究センター特任教授。永田和宏氏は京都大学名誉教授、京都産業大学名誉教授、JT生命誌研究館館長。朝日歌壇選者をつとめるなど歌人としても活躍。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2024年10月22日]

商品内容

要旨

最短、最速で成果が求められる現代社会。ビジネスの現場だけではなく、研究や教育など、あらゆる領域に「役に立つかどうか」の指標が入り込んでいる。その現状に基礎科学の最前線を走ってきた2人は警鐘を鳴らす。失敗が導く発見、安全よりも大胆さなど、先が見えない現代を生きる私たちにもヒントとなる新たな価値観を提示する。

目次

こんなに楽しい職業はない
第1部 研究者の醍醐味―世界で自分だけが知っている(研究は「おもろい」から
一番乗りよりも誰もやっていない新しいことを)
第2部 効率化し高速化した現代で(待つことが苦手になった私たち
安全志向の殻を破る)
第3部 「役に立つ」の呪縛から飛び立とう(「解く」ではなく「問う」を
科学を文化に)
先行き不透明な時代の科学

出版社・メーカーコメント

この20年、日本の科学立国としての地位は低下した。科学に役に立つ成果だけを求めていいのか。科学の最前線を走ってきた二人が、日本社会の有り様を考察し、失敗から歩み出せる基礎研究の魅力を縦横無尽に語る。

著者紹介

大隅 良典 (オオスミ ヨシノリ)  
1945年、福岡県生まれ。東京工業大学栄誉教授、同大学科学技術創成研究院細胞制御工学研究センター特任教授。大隅基礎科学創成財団理事長。東京大学教養学部卒業、同大学大学院博士課程単位取得後退学。アメリカ・ロックフェラー大学研究員、基礎生物学研究所教授などを経て、2009年より東京工業大学へ。16年、「オートファジーの仕組みの解明」により、ノーベル生理学・医学賞を受賞。同年、文化勲章受章。日本学士院会員
永田 和宏 (ナガタ カズヒロ)  
1947年、滋賀県生まれ。京都大学名誉教授、京都産業大学名誉教授、JT生命誌研究館館長。京都大学理学部物理学科卒業。アメリカ国立癌研究所客員准教授、京都大学再生医科学研究所教授、日本細胞生物学会会長などを歴任。歌人としても活躍し、宮中歌会始詠進歌選者、朝日歌壇選者をつとめる。著書『歌に私は泣くだらう 妻・河野裕子 闘病の十年』(新潮社)で第29回講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)