• 本

都市の緑は誰のものか 人文学から再開発を問う

出版社名 ヘウレーカ
出版年月 2024年9月
ISBNコード 978-4-909753-19-9
4-909753-19-2
税込価格 3,080円
頁数・縦 295P 19cm

商品内容

要旨

各所で進む都市の再開発や樹木伐採。例えば神宮外苑再開発では市民や専門家から反対や再考を促す声があがり、その動向が注目されてきたが、開発する側は進める姿勢を崩していない。そんな状況をふまえ、倫理学、歴史学、美学など人文学の研究者たちがそれぞれの分野から、関係的価値、グリーンインフラ、将来世代への責任、マルチスピーシーズなどのキーワードを軸に、都市の再開発のあり方や進め方について論じる。都市の自然と人とのかかわり、都市の自然がもたらすかけがえのないものについて人文学の視点から光をあて、再開発が蝕むものは何か、そうではない再開発の可能性について諸外国の例などもまじえて論じる。都市計画や環境問題に関心のある方はもちろん、自分の住む街のこれからを考えたい方におすすめです。

目次

1 神宮外苑再開発を問う(場所の記憶から照射するジェントリフィケーション
人と深い関わりがある自然の保全の理念はどうあるべきか―自然の関係的価値の視点からの神宮「外苑」問題
都市における自然の価値―「機能的価値」と「関係的価値」の視点から)
2 持続可能な都市をめざして(都市の生きた遺産としてのグリーンインフラ
ヨーロッパの持続可能な都市の輪郭―気候変動への対応、スクラップ&ビルドしない再開発
すべての生き物のためにデザインされた共存共栄都市へ―マルチスピーシーズ都市とはなにか
将来世代にどのような都市を残すか―杜の都・仙台の実践)
3 美学と詩学から人と環境との関わりを考える(生活の時間と公園の時間―都市における自然がもつ美的意義
場所や自然とどのような関係をもつべきか―生態地域主義と環境詩学の視点から
より多くの人々が都市を故郷と呼ぶ時代に向けて)

著者紹介

太田 和彦 (オオタ カズヒコ)  
南山大学総合政策学部准教授。東京農工大学大学院連合農学研究科修了。博士(農学)。専門は環境倫理学、食農倫理学、シリアスゲーム。アジア太平洋圏食農倫理会議、第4回オンライン大会、第5回名古屋大会主催
吉永 明弘 (ヨシナガ アキヒロ)  
法政大学人間環境学部教授。千葉大学大学院社会文化科学研究科修了。博士(学術)。専門は環境倫理学
北條 勝貴 (ホウジョウ カツタカ)  
上智大学文学部教授。専門は東アジア環境文化史、パブリック・ヒストリー
鬼頭 秀一 (キトウ シュウイチ)  
東京大学名誉教授。東京大学大学院理学系研究科(科学史・科学基礎論)博士課程単位取得退学、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授を経て、現職
穂鷹 知美 (ホタカ トモミ)  
学習院大学人文科学研究科博士後期課程修了。博士(史学)。日本学術振興会特別研究員(環境文化史)を経て、2006年よりスイス在住ライター
ルプレヒト,クリストフ (ルプレヒト,クリストフ)   Rupprecht,Christoph
愛媛大学社会共創学部環境デザイン学科准教授、一般社団法人FEAST理事。地理学・都市計画・生態学博士(2015年、オーストラリア・グリフィス大学
青田 麻未 (アオタ マミ)  
群馬県立女子大学文学部専任溝師。博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。日本学術振興会特別研究員PD(成城大学)を経て、現職
高橋 綾子 (タカハシ アヤコ)  
兵庫県立大学環境人間学部教授。新潟大学大学院現代社会文化研究科修了。博上(学術)。専門はアメリカ文学、環境文学、アメリカ現代詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)