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人はどう悩むのか

講談社現代新書 2755

出版社名 講談社
出版年月 2024年9月
ISBNコード 978-4-06-537225-8
4-06-537225-9
税込価格 1,012円
頁数・縦 226P 18cm

商品内容

要旨

誰も書かなかった新しい「悩み方」の教科書。老後の憂うつ、中年の危機…。人生の悩みにはパターンがある。読むと心が軽くなる。大人気「人生の予習」シリーズ最新刊。

目次

第1章 他人事ではない高齢者うつ
第2章 うつだけではない高齢者の悩み
第3章 中高年の心の危機
第4章 大人になってからの危機
第5章 困難な青年期
第6章 悩ましい思春期
第7章 ハードな学童期
第8章 油断できない幼児期・乳児期
第9章 現代を悩まずに生きるには

出版社・メーカーコメント

 日本は今、「人生100年」と言われる長寿国になりましたが、その百年間をずっと幸せに生きることは、必ずしも容易ではありません。特に人生の後半、長生きをすればするほど、さまざまな困難が待ち受けています。 長生きとはすなわち老いることで、老いれば身体は弱り、能力は低下し、外見も衰えます。社会的にも経済的にも不遇になりがちで、病気の心配、介護の心配、さらには死の恐怖も迫ってきます。 そのため、最近ではうつ状態に陥る高齢者が増えており、せっかく長生きをしているのに、鬱々とした余生を送っている人が少なくありません。実にもったいないことだと思います。 その状態を改善するには、どうすればいいのか。 身体を鍛え、機能の低下を防ぐためにあらゆる努力を重ねることでしょうか。 ちがいます。老いに抵抗することは、どんどん数が増える敵と闘うようなものです。それならば老化予防に執着するより、早めの和平、すなわち実現可能な状態で満足するほうが理に適っています。 身体が衰えるのは致し方ないとしても、精神的に健康であれば、日々をよりよく生きられるでしょう。病気や障害があっても、経済的に恵まれていなくても、家族がいてもいなくても、精神的に満たされていれば、幸せを感じることができるはずです。「幸せな老後」を実現するのに、何より大切なことは、精神的に満たされること、すなわち、「精神の健康」です。  私は精神科医ではありませんが、福祉系の大学で「精神保健学」を昨年(2023年)まで、15年間、学生たちに講義をしてきました。精神保健学とは、文字通り「精神の健康(メンタルヘルス)を保つ」ための学問です。「精神の健康」とは、言い換えれば「毎日を気分よくすごせる状態」です。悩みや不安もなく、社会人、家庭人、個人として、健全な生活をしていることです。すなわちそれは、「幸福」ということで、年齢や地位や財産などに関係なく、生きていく上でもっとも大事なものではないでしょうか。そこで、本書では、各ライフステージに潜む悩みを年代ごとに解説していきます。ふつうは時系列に沿って、生まれたときからスタートしますが、今回は逆に高齢者の側からたどってみたいと思います。というのは、今の超高齢社会では、高齢者うつなど、「精神の健康の危機」に直面している人が多いからです。…

著者紹介

久坂部 羊 (クサカベ ヨウ)  
1955年大阪府生まれ。小説家・医師。大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院の外科および麻酔科にて研修。その後、大阪府立成人病センター(現・大阪国際がんセンター)で麻酔科医、神戸掖済会病院で外科医、在外公館で医務官として勤務。同人誌「VIKING」での活動を経て、『廃用身』(幻冬舎)で2003年に作家デビュー。2014年『悪医』(朝日新聞出版)で第3回日本医療小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)