• 本

源氏物語のこころ

朝日選書 1044

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2024年10月
ISBNコード 978-4-02-263135-0
4-02-263135-X
税込価格 1,870円
頁数・縦 245P 19cm

商品内容

要旨

精神科医で小説家の著者が、50年にわたって読みこんできた『源氏物語』。この長大な名作が、千年の時を読みつがれてきた秘密とは何か。全54帖を通して繰り返される別離と死別の様相。主な25人の女君たちの生き方、人生観の違いを「心表現」でどのように描きわけたのか。さらに藤壷宮をめぐる光源氏と桐壷帝のように、恋に挑む7つの「三角関係」に複雑な心の道筋を追う。本居宣長、小林秀雄の『源氏物語』への洞察を礎に、短篇『源氏の君の最後の恋』を書いたユルスナールにつなげる独自な文学地図を示し、微細で多様な心の言葉から大作に向かう道筋を解きあかす。紫式部の「ネガティブ・ケイパビリティ」を丹念に探り当てた、真新しい視点による『源氏物語』の最良の手引書。

目次

第1章 紫式部が「こころ」をとらえる基本のことば
第2章 源氏物語五十四帖のあらすじ、別離と死別
第3章 こころの対比
第4章 不安と迷いに揺らぐこころ
第5章 物語を動かす興味を持つ心
第6章 現代語とは異なる三つの「心」表現
第7章 主な女君たち二十五人の心
第8章 光源氏の恋挑みと心
第9章 文化・風俗の中の心
第10章 四十七帖「総角」は紫式部の最高到達点
第11章 心と魂・胸・身

出版社・メーカーコメント

精神科医で小説家の著者が50年にわたって読みこんだ『源氏物語』。名作を底支えしている、300以上もの心の言葉から、紫式部のネガティブ・ケイパビリティに注目、その創作視点に迫る。*精神科医で小説家の著者が、50年にわたって読みこんできた『源氏物語』。この長大な名作が、千年の時を読みつがれてきた秘密とは何か。全54帖を通して繰り返される別離と死別の様相。主な25人の女君たちの生き方、人生観の違いを「心表現」でどのように描きわけたのか。さらに藤壺宮をめぐる光源氏と桐壺帝のように、恋に挑む7つの「三角関係」に複雑な心の道筋を追う。本居宣長、小林秀雄の『源氏物語』への洞察を礎に、短篇『源氏の君の最後の恋』を書いたユルスナールにつなげる独自な文学地図を示し、微細で多様な心の言葉から大作に向かう道筋を解きあかす。紫式部の「ネガティブ・ケイパビリティ」を丹念に探り当てた、真新しい視点による『源氏物語』の最良の手引書。*紫式部が「こころ」をとらえる基本のことば  本居宣長が紫式部にみた恋の道、「物のあはれ」  本居宣長から小林秀雄へ  源氏物語54帖のあらすじ、別離と死別  こころの不安と迷い/「心の鬼」とは何か  主な女君たち二十五人の心  光源氏の恋挑みと心  文化・風俗の中の心(碁と双六、琴、蹴鞠……)  四十七帖「総角」は紫式部の最高到達点  (「目次」から)

著者紹介

帚木 蓬生 (ハハキギ ホウセイ)  
1947年、福岡県生まれ。作家、医学博士・精神科医。東京大学文学部、九州大学医学部卒業。九大神経精神医学教室で中尾弘之教授に師事。1979〜80年フランス政府給費留学生としてマルセイユ・聖マルグリット病院神経精神科(Pierre Mouren教授)、1980〜81年パリ病院外国人レジデントとしてサンタンヌ病院精神科(Pierre Deniker教授)で研修。その後、北九州市八幡厚生病院副院長を経て、福岡県中間市で通谷メンタルクリニックを開業し、現在は専業作家。多くの文学賞に輝く小説家として知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)